新日本を護るために
2024年 11月5日 賢者は歴史に学ぶ
とはドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉である。そうは言っても今日はドイツ帝国の話しではなく日本経済の現状について述べたい。一昔前の話になるが大河ドラマで真田丸という番組が放送されていた。このなかで堺雅人演じる真田幸村(信繁)と大泉洋演じる、幸村の兄真田信之は大坂の陣において敵同士となり戦うことになる。結局生き残ったのは徳川についた兄の信之だった。結果として真田家は草刈正雄演じる父真田昌幸の知略によってお家断絶の危機を免れることが出来た。このような乱世の悲劇であっても巧みな三谷幸喜氏の演出によっては、お茶の間で気楽に楽しむドラマになった。とはいえ、これは史実であり現代の我々にとっては大いなる学びとなる。
何を言いたいかというと、このような乱世ではどちらか一方だけに加担することはお家断絶のリスクになる。私はこのことを現代日本のリスクに当てはめている。つまりどちらか一方にだけ軸足を置く外交は、極めて危険な外交であると言わざるを得ない。だからと言って中立の立場を選択しようにも、このような戦乱の世においては、結局どちらか一方に与しなければ、どちらの側からも責められるという憂き目にあう。このこと踏まえて世界各国の外交を見れば、経済、軍事、文化交流などあらゆるチャンネルを用いて、のらりくらりと立場を切り替えていることが分かる。
それでは現在日本政府の外交はどのような外交を行っているかといえば、一方に偏った、かなり際どい外交のように感じる。せめて経済交流だけはブリックス経済との繋がりを維持しながら外交を考えなければ、軍事的な危機よりも先に、西側通貨危機に陥る可能性も否定できない。というのも西側世界の圧倒的エネルギー不足は、西側のみで解決できるものではなく、結果的に現在の西側経済を支えている根拠は、これまでかき集めてきた通貨の力に他ならない。ではこの効果はいつまで続くのかといえば、西側世界がこれまで提供してきた工業製品や知的財産権などの価値に依存しているに過ぎない。
ところがこれまで圧倒的魅力を誇ってきた西側の工業製品は、西側による経済制裁が続く為にブリックス市場での代替えがどんどん進んでいるのだという。この状況では、早晩西側の通貨はブリックス経済圏においてその需要を失うことになりかねない。このような状況から、今後円の需要を維持するためにも、経済封鎖のごとき経済制裁は控えるべきと考えている。日本は愚者よりも賢者の道を選択すべきではないだろうか。