新日本を護るために
2025年 1月9日 アメリカの戦略
今の段階で、そんなものを知る由もないのだが、ここ最近グリーンランドやカナダに対する次期アメリカ大統領の発言は世界に大きな衝撃を与えている。とはいえその意図を考えなければ世界は未来の希望を失うことにならないだろうか。
さて、政権誕生間際にきて繰り出されるこれらの発言にEU各国はかつての悪夢である政権誕生後、急に領土拡大に走り出したドイツを重ね合わせたいようだ。というのもそのように思わせぶりな報道が日本にまで届いている。今朝のワールドニュースでスペインのマスメディアは、アメリカの次期政権によるこのような発言を、かつてのファシズム勢力と言われたフランコ政権に関連付け紹介していた。
では何故アメリカの心象を悪くする恐れのある発言を、次期アメリカ大統領は就任を目前にする必要があるのだろうか。私はこのような状態になった背景にはアメリカ新政権とEU各国の間で共通の価値観や信頼が失われてしまったことにあるのではないかと思っている。つまりイーロンマスク氏が平和や経済について示すビジョンにEU各国の政党は共感出来なかったということで、だとすれば、これ以上EUとアメリカ経済の歩調を合わせることは難しいという判断があったのではないだろうか。
そうだとすればこれによる結果は恐ろしいことになる。何を言いたいのかといえば、アメリカという国はわざわざ世界中の火種を拾わなくても充分なだけの資源があり、領土を保有し、食料自給率も100%以上の国だからだ。つまり今回のグリーンランド、カナダそしてパナマ運河についての発言は北米大陸の地政学的安定をより積極的に考慮した発言で、だとすればこれからアメリカは、かつてのモンロー主義の道を辿る可能性も見えてこないだろうか。
もし、そうだとすればアメリカのNATO脱退というシナリオはこれから一段と現実味を帯びてくる。さてそうなった場合、残された戦争の火種は、人類の破滅を迎えるか、或いはユーラシア大陸の一国が地図から消滅してしまうまで、このままいつまでも燻ぶり続けることになりはしないだろうか。というのもこれまでのNATOやEU、日本の行動を見るかぎり平和に向かう可能性は全く見えなかったからだ。