新 思考ラボ
2025年 3月26日 お金は心を運ぶが心はない?
良き心から生まれたお金は人々に喜びをもたらし幸せを運ぶ、逆に悪しき心に触れたお金は人々に猜疑心を植え付けそのようなお金の留まる社会は衰退を余儀なくされてきた。それが我々人類の歴史だったように感じている。そんな魔性のお金に翻弄されてきたトルコのイスタンブール市長が汚職の疑いにより逮捕された。ところがこれに対して市民から猛烈な抗議デモが起こっているのだという。さてこれを指揮したエルドアン大統領と言えばこれまでトルコリラの暴落とそれに呼応するように金利が上がりこの中での経済復興に苦慮していたところだった。とはいえ最近では再び金利は上がってそれに伴い海外資本が再び戻ってきたと伝えられるが、このことがトルコ経済の復興と言えたのかどうか世界は注目していた、今回の事件はそんな矢先のことだった。
ところで、これに呼応するようにアメリカでは関税発動を見込んでインフレが進んでいるにも拘らず何故か消費マインドが盛り上がっておらずJOLTS求人件数も伸び悩んでいるのだという。さらに今朝の経済番組ではこのような環境からアメリカの富裕層がスイスの銀行にせっせと彼らの資産を移しているという報道があった。
つまりアメリカの経済界もトランプ政権の関税政策には懸念を持っていると言いたいのだろう。しかしながらトランプ政権のこれから向かおうとしている経済モデルは、一国で完結した経済圏を作るという極めてシンプルな構想であり、むしろ失敗する可能性を探す方が難しいと思える。それに引き換えお金さえ持ち出せば、自分の身は安心と考えることの方がむしろ根拠の薄い幻想のように感じる。というのもトランプ革命の目指すところは秩序と安心がもたらされる社会で、それとは真逆の世界がどうなるのかと想像すれば無秩序と暴力に支配される世界になるに違いない。
このような世界を想像すると、お金は持つ人によってその姿を変えるのではないかとさえ思うことがある。たとえばお金を抱え込もうとすれば、そのお金には他所には渡りたくないという狭量な魂が宿ってしまう。こういうお金が宿るところの周りには貧困が溢れ、その不満が暴力を呼び寄せてしまうのだ。つまりこれでは、お金があるようでいてないのも一緒という事に成りかねない。これに気が付かなければ滞留したお金と共に、その社会もいずれ滅びることになる。
さてそもそも人類が持っているのはお金を生み出す力ではなく、付加価値や喜びを生み出す能力だろう。それは工業製品であったり無形のサービスであったり、はたまた価値そのものを想像してしまおうというアーティストもいる。いずれにしてもここに嘘や偽りを持ち込むことは結果的に許されない。そんなことをすれば直ちに信用を失い、いずれ社会からは淘汰されてしまう存在になってしまう。要するにトランプ革命の神髄とは、このように根拠のないお金至上主義からの脱却にある。と言う事は、今後アメリカ社会がこの状態に辿り着けるかどうかがトランプ革命の勝敗になるだろう。つまりトランプ革命とは心の時代の始まりなのである。