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新 思考ラボ

2025年5月2日ようこそ

2025年 5月2日 月と太陽

「元始実に女性は太陽だった」といった云った1886年生まれの平塚らいてうは日本のフェミニズム運動の草分けとして知られている。ではこの太陽とは何を象徴した言葉だったのか、そのことを理解するヒントとして、この言葉に続いて月に例えらていれるのは明治時代における女性の立場なのである。このことについて私の勝手な解釈を述べれば、太陽に象徴されているのは時代や文化の創造性、対する月は文化の写し鏡、ようするに文化を創造する立場から、女性は文化を受容する存在でしかない、ということを象徴しているように感じている。

話は変わるが、以前の日曜美術館で小池一子氏が取り上げられていた。氏の活躍は戦後における新しい日本文化に光を当て花開かせた存在として取り上げられていた。この功績はいま述べた太陽が如く、輝かしい昭和文化の彩となっている。因みに先日放送されたアンゼルムキーファは美術界に絶大なトレンドを巻き起こした巨匠だ。氏の功績により道端に転がる廃棄物も多くの芸術家が、宝のように持ち帰り保管するようになった。そして作品の圧倒的存在感は、その大きさばかりではなく物理的な作品の重量によっても、まるで会場となった空間自体がその重力で捻じ曲げられ、鑑賞者は知らぬ間に異界に誘われてしまう装置のようでもある。現在京都二条城で開催されているアンゼルムキーファSOLARISは、その規模から言っても美術ファンなら2度と体験することの出来ない必見のイベントといえるだろう。とはいえこれほど圧倒的な情熱を注ぎ続ける作品もその根底に流れる思いは、人間の抱える宿命的な不条理や先の大戦で起った逃れられない実体験の悲しさにあるようだ。つまりここに表現される作品群はすでに起こってしまった現実の鏡であり、我々をその冷たい光で包み込む月なのではないだろうか。

 

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Posted by makotoazuma