今昔問答
2025年 6月2日 どうするどうする
一体この国はどこへ向かうのか、最近特にこの思いが強くなる。昔は誰が大臣に成っても同じなどと吞気なことを思っていたが、今となっては志し無き者に従うことの恐ろしさを痛感している。というのも私が子供の頃感じていた世間の様子と今の子供達が目の当たりにしている景色はあまりにも違っているからだ。残念なことに、この現実を招いたのは自分たちの選択の結果なのだからその責任を感じずにはいられないのだ。だからと言って政治が悪かったというのは簡単だが、どこが悪かったのかを考えれば、答えはそう簡単ではない。
例えば共産主義が悪いと言っても私が懐かしむ過去の方が、今よりずっと共産主義者は元気だった。今振り返っても5月1日のメーデーになればデモ行進だなんだとメインストリートで徒党を組み大声を上げていた。そればかりか義務教育の場でもストライキが起こり授業が止まっていた。しかもこのような動きは大人ばかりでなく学生までヘルメットをかぶり角材を振り回しては機動隊との衝突していた。そんな様子が良くTVニュースで流れていたが、今日起きている右翼のデモ行進はマスコミにあまり取り上げられないようだ。
このように見ると労使という対立関係が日本の景気後退を招いたとは言えなくなる。それよりむしろこのような停滞は別の政治思想が招いたものではないかと思っている。特に失われた30年という間に起こった新自由主義は今も日本社会の大きな傷となっている。
というのもこの30年間で起こった政治の流れを見れば、この間の政策は日本国民にとってとんでもない状況を招いた。要するに日本は未だ世界3位の経済大国なのにもかかわらず、そこで暮らす国民の収入は最貧国の生活とあまり変わらないという。
しかも外交だといえば、現政権は国会も通さず恐ろしいほどのお金を世界中にばら撒いてくるのだ。選挙に行かない人というのはこれで良いというメッセージを国会議員に送っている事に成る。それに関連してか国会議員の地方における社会インフラの無関心は史上最高額の予算にも如実に表れている。しかもこの傾向は30年前から始まっていて、かつて世界一の鉄道網と言われていた国鉄の分割民営は当時から予想されていた通り、地方の採算の取れない路線が地方経済を圧迫するようになってしまった。さらに翌日には必ず届いていたはずの郵便事業も現在ではいつ届くのやらという状況になっている。このこともそれまで郵貯や簡保で支えてきたサービスがとうとう維持できなくなってきたと言う証拠だろう。
さてこれにより現在の日本社会では何が起こっているのかといえば、目に見えて地方が衰退していることが分かる。ところがこれに対して地方創世のための予算は今年で2000億円もついているが、これにより何らかの結果が期待できるのかといえば、すでに10年間で1兆円を超える支出があったにも拘らず地方格差は広がる一方なのだ。これが企業だったとすればどうだろうか、1兆円の投資が結果を出せないでいるのだ。このようなことを素人が見ても、財源云々よりもまず支出の内容を確認すべきだと思ってしまう。
残念んながら今の与野党連合の政府ではこの状態を脱することが出来ない、いくら集まっても次に何をすべきかが見つからないのだ。もし今後もこのように当てのない政策を続ければ、早晩日本国民は生きる希望すら失ってしまうのではないだろうか。とはいえこんなことを一遍に変えることは叶わないだろう、そのため最低限必要なことは日本の利益を真っ先に考えることの出来るリーダーの誕生である。これを導くためには時を移さず末端にまでお金を行渡らせることが必要になる。要するにサラリーマンの手取りをいきなり増やすことだ。とはいえ現政権のようにこれを給付金で済まそうとすれば早晩財源が問題視されるはずだ。そればかりか非現実的な取り組みとされて一蹴されるばかりか、まかり間違えれば増税の言い訳に使われる可能性がある。このようなマッチポンプを避けるためには、消費税を廃止しその分の法人税率を上げることにより、法人税における税額控除利用を促す必要がある。それができれば法人税の税額控除として認められる人件費は、企業によって増やされ無理なくサラリーマンの収入を増やすことが出来る。
つまりこのような政策の実現を掲げ参議院選挙を戦えば選挙の争点は経済の復興とすることが出来るのではないだろうか。とはいえ此れに賛同する党員により自民党が生まれ変わったことを有権者にアピールできなければ、参院選挙の比例票はどこに流れるだろうか、恐らく驚くほどの議員が国会を去ることにならないだろうか。さてこのような展開を私は勝手に高市議員に期待しているのだが、今のところ自民党議員からこのような危機感は感じられない。つまりこのままの状態で与党の立場は崩れないとでも思っているのかもしれない。はたしてこのままマスコミの票読みを信じて良いのか、先にあった兵庫県知事選の結果は参考にすべきだと思う。