今昔問答
2025年 6月4日 どこまで日本はぶっ壊されるのか
最近巷を騒がせている米騒動だが、国民の命や日本文化に直結するものなので粗末な扱いはやめて欲しい。というのも「俺は普段から米を買ったことがない」と発言した農水大臣がいとも簡単に更迭になり、今度は総裁選で何度その主張聞いても理解できない議員が農水大臣となってしまった。今回米騒動でも何故そうなるのかを説明しないまま、コメの値段をいきなり2,000円台にしてみせるという言葉が飛び出し、その発言を何故だか分からないままマスコミはこの発言を称賛している。
何故だか分からないというのはコメの値段が何故高騰しているのかを探らないうちにコメの値段を2000円台にするというのは、診察も受けないうちからあなたは治りますと言われて浮かれ出すようなものだ。通常こんな議員はほら吹き男と言われても仕方がないにもかかわらずマスコミは救世主のように担ぎ出す。今でもよく覚えているのは、この父親が街頭で叫んでいた郵政解体論だ。国の借金が膨らむのは郵貯が無意味な土木工事の財源になっているで怪しからんという。
そういってとうとう郵政をぶっ壊したが、そもそもこの話しは予算を審議する国会議員がまともな仕事をしていれば良いだけのはずが、国民はこれをすっかり真に受けてしまった。そしてこの時水面下で粛々と行われていたのが構造改革という誰が得するのか分からない政策が始まった。今思えばこれにより潤ったのは外資だったと言う事がハッキリ分かる。今時「親方日の丸」などと言う言葉もすっかり死語になってしまったが、これこそ日本が失ってはならないキーワードだった。つまりこの時代までは、どれほど非道な政治家が好きなように国家予算をこねくり回しても、日本人の稼いだお金は日本に留まっていたからだ。また今のように国債残高が国を亡ぼすなどと言う脅迫めいたことも起こらなかった。というの郵貯の残高は国債と同じ機能を果たしていたからだ。つまり郵貯の残高が増えることは国民の資産が増えることと同じように理解されてきたからだ。結局国は郵貯の金利分を国債発行で賄えば、今のように国債残高がギリシャより悪いなどと発言する総理大臣もいなかっただろう。
この様に思えば農水大臣の発言はいよいよ眉に唾を付けて聞いていなければ大変な事に成ると身構えてしまう。とはいえ、こんなことは私の被害妄想としたところだが、調べてみると冒頭にあった何故がさらに深刻な色を帯びてくる。というのもこの大臣は昨年コメの作況指数は一昨年より持ち直しているにも拘らず、何故米が今年も不足して価格が高騰しているのかについては前任同様何も調査されていない。もし調査して原因が特定されているとすれば、コメの値段を言う前に高騰の原因に言及するはずだ。そうでは無くいきなり備蓄米の卸価格に言及するところが、一子相伝の恐ろしさを感じる。さてここで発表された受注者との随意契約とはどのようなものか、私もはっきり理解できていない。恐らく入札という市場原理を通さず、小売り値段を国が決める価格統制のことをさすと思うのだが、これでは昨日述べた緊急事態条項と同じ権力を政府が行使できるようになると思うのだが私の考え過ぎだろうか。
残念ながら私はこのことへの懸念をさらに深めている。というのも今年の2月ころ農林中金が運用の失敗で多額の損失を計上したというニユースが流れてきた。このニュースを見てこれはありえない運用損失で、私はそんなことをする理由を見つけることが出来なかった。というのも農林中金はアメリカ国債を大量に売却したことにより、多額の損失を計上しなければならなくなったと報道記事には書かれていたからだ。しかも解約した資金は、更にリスクの高い劣後債で運用するとあったので寒気がしていた。そんな気持ち悪さを感じていたが、今回の大臣の交代で謎の原因に一つの可能性が見えてきた。というのも自民党ぶっ壊せ運動は現在の日本経済の姿に繋がっているからだ。そしてその当時の財務経済政策における責任者が今回の農林中金の不思議な動きにしぶとく関わってくる。というのもこの人物はSBI証券の取締役であり農林中金パートナーズという名前のアクティブファンドを販売するなど資産の積極運用に関っている。つまりこのことはこれからのことというより、すでに始まっていたと言う事だろう。
しかしながら運用の行く末は分からないにしても、米の生産に関しては目を光らせなければ、この先政府の一存で米の品種改良がおこなわれる可能性があり、食料農業農村基本法にはそのような危険性がすでに含まれている。私も以前は農作物は大規模農業で生産コストを抑えれば値段は低く抑えることが出来ると思っていたが、慎重な行動によらなければ地方のコミュニティーを破壊してしまうことにもなりかねない。特にコメは農産物を超えた国を象徴する農産物で掛け替えのないものに思う。私はこれを守ることは国を護るコストと同義に考えている。米は神聖なものであり目先の欲でぶっ壊してはいけないものだと感じている。