今昔問答
2025年 4月24日 仇討ち
といえばすぐ頭に浮かぶのが、忠臣蔵だろう、4,5年前までは12月が近づくとTVでは必ずこの映画やドラマが放送されていた。何故そうなのかは分からないが、日本人は主君や親など非業の死を遂げた無念を仇討ちによって晴らそうとする。江戸時代ではこれが合法だったというのだから日本人のメンタルは恐ろしい。要するに命を懸けて身内のプライドを守る事が社会の常識になっていたのだ。
因みに先日、配信により「碁盤斬り」という映画を視た。以前からこの映画の基になった柳谷花緑氏の柳田格之進を視てとても感動した記憶がある。この映画はこの話に柳田格之進が妻を失った経緯を被せた仇討ちがこの映画のサブストーリーになっている。それにしてもこの映画は完成度が高く、白石監督による隙のない場面展開はこの映画の完成度が高く、合わせて俳優陣の充実した演技はこの映画の魅力をさらに揺ぎ無いものにしている。特に草彅剛氏の見せる穏やかな普段の表情と仇討ちに向かう表情のギャップには鬼気迫るものを感じた。
ところで、かつての日本人はこの様な不条理に対し、身を挺しても無念を晴らそうとする気概があったに違いない。これが国民行事のように未だに国民から支持されているのだから侍の国日本はやはり恐ろしい。