今昔問答
2025年 4月29日 アンパンの値段
小娘「おっちゃん、さっきからなにブツブツ何言うとんねん」
パン屋のおっちゃん「なにがぁじゃいうちとっとと、アンパンの値段きめなあかんがじゃ」
小娘「そんなん、おっちゃんが好きなように決めたらええんちゃうの、それとおっちゃんそのキャラ、ジャムおじさんちゃうで釜じいみたいや」
パン屋のおっちゃん「せやから一個1,000円のアンパン誰が買うてくれまんねん、値段いうもんは売り手と買い手が納得せなあ売れまへん
のや、それを勝手に消費税なんか上乗せしまっさかい話がややこしゅなりますのや。」
小娘「なんや今度は消費税の話かいな」
パン屋のおっちゃん「ええか消費税いうもんは、売値から仕入れ値を引いたもんに掛かる税金のことや。つまりや1000円のアンパン売れたら90円が消費税になるちゅうこっちゃ、せやけどこれ割り切れへんよって、どないしても1円以下の端数どないかしなあきまへん。結局値段の中に消費税を入れると1円損するか儲けにするか、店で判断しなさい言う事になるんですわ。せやったら1日100個売るパン屋やったら300日働いて3万の税金が帳簿合わへんようになりますわ。早い話が納税の時はパン一個一個の計算なんかしてられしまへん、結局全体の売り上げから仕入れを引いて計算するよりありまへんのや。ちゅうことは、全体の売り上げがちょうど2000万円やったら1,818,181円が消費税分になるんですわ、ここからすでに仕入れに含まれとる消費税を引きなはれというのんが消費税なんですわ、これ仕入れ600万円の8%やったら48万円でっせデカないですか。ところがでんな、食品の消費税率を0%にしますぅ言われたら食品の仕入れによって引いとった8%はこれが今度から売り上げの消費税から引けんようになるちゅうこってすわ。それにしても一体この8%の軽減税率、誰が喜んどりまねん顔が見たいはホンマに、しょうみ知らん人の方が多いのんとちゃいまっか。因みにでっせ今でもこれローソンなんかのテーブルで買ったもん食べよう思ても、持ち帰りにしたら安うおまっせ言われたら面倒でも持って帰りまんがな。こんなん日本を楽しくしましょういう人の発想ちゃいまっせ」
小娘「そうやったんか、わざわざ店の中に立派なテーブルとイスまであんのになんで、皆、店先で食べよるんか不思議に思とったわ」
パン屋のおっちゃん「ついでに言うとやな、消費税言うたらかなりエグイ税金なんや。なんでや言うたら、昔から税金言うたら、困っとるもんには負担軽くしよいう工夫されとったんや。言うたら病気の人からは減らそうとか、家賃や光熱費、人件費なんかも商売しとったらどうしても掛かってしまう費用や、本来ならそれ皆引いた分から税金納めてや、いうのが昔の税金の仕組みやったんや。そやから課税所得ちゅうもんがわざわざあるんとちゃうんか。ところが消費税なったらどうやこんなん全く考慮しいひんのですわ、要するにこの段階では商売で儲けが出ているんかどうかも分からん状態で消費税納めなあかんちゅうこってすわ。こんな税金とっととなくせな少しでも残しよったら世の中ますますあかん事に成りまっせ」
小娘「おっちゃんだんだん調子よくなっとるな、もっと言っとき」
パン屋のおっちゃん「たしかにそれやったら、値段決めるときに必要経費の分も見込んどるやろ言われるかも知れへん。とはいえ値段いうもんは、商いするもんの都合とお客さんの都合で決まるもんや、せやからその商品から利益が出るかどうかはお客さんの数がどれくらい見込めて、何時までの期間で儲けなあかんと初めからある程度決めてかかるもんなんや、これ分からんと税収税収いうとったら日本で誰も商いできひんようになりまっせ」
小娘「おっちゃん普段呑気そうやのにいろいろ考えてんのんやなぁ、パンばっかり捏ねとんのとちゃうんや」
パン屋のおっちゃん「そら、人間、理屈も捏ねなあかん時もあるんや、どや元気なったか」
小娘「おっちゃんありがとう、元気百倍や」