盾つく虫も好き好き
2025年 11月11日 言葉尻かじり虫

昨日愛車の点検を待つ間、巨大なモニターに映し出される国会中継を眺めていた。この緊迫した世界情勢で野党はどんな質問を政府にぶつけるのか非常に興味のある処だ。早速、TVから聞こえてきたのは奈良のシカ問題だった、きっとこれは私がテレビを覗いたタイミングが悪かったのだと思っていたが、つづいて行われた質問が選択的夫婦別姓について、そして最後は北方領土問題、まさかこの政党が北方領土問題に質問するとはどういうことか、よく聞いてみると黄川田担当大臣が根室を視察した際、歯舞群島を外国と認めるような発言をしたことを咎めたいようだ。
因みに、私が最初に奈良のシカ問題を目にしたのはYouTube動画で、若い男が近寄ってくるシカを蹴り飛ばす大変腹立たしい動画だった。当時ニューメディア界隈ではこの動画の再生数が爆上がりで、しかもまもなくこの男の素性がネットで拡散されだした、それによるとこの男は特定の外国人に違いないという発信があり、そこには動画について様々な分析が載せられていた。このような経緯から就任前のシカコメントも、不確かな配信に基づいているのではないかと言いたいようだった。そして選択的夫婦別姓問題については、何故今これが問題なのか、これについて質問者の回答は間違った宛名を使っては受取人に失礼だろうという話なのだが、このような質問から世界の緊迫など感じることは出来るだろうか。
とはいえ、彼らも北方領土問題に対し強い関心を示し北方領土返還要求全国大会を開催するなどの活動を行っているのは確かなようだ。では、それらの運動により領土問題に何らかの進展はあっただろうかという疑問がすぐに湧いてくる。むしろ疑惑の総合商社と言われた方が積極的にロシアとの関係性を維持し、パスポートなしの渡航や墓参の実績を残してくれていたように感じる。つまり北方領土が歴史的に日本の領土であることを幾ら声高に主張してもロシア側が交渉のテーブルにつかなければ事態の収拾はおぼつかない。この状態のままが続けば武力侵攻しかないと発言してしまう勇ましい方が登場しても可笑しくないのだ。しかも彼らは領土を返せと言いながら、憲法改正不要というのだから、やはり北方領土返還もポーズだけのことだと思われても仕方ない。
とはいえ、この北方領土問題についても日本はチャンスは目の前に開かれている。それは、今のところロシアはプーチン大統領の政権であるということ、そしてロシアは東アジアに経済開発の道を開こうとしているからだ。プーチン大統領といえば法律の研究家であり、故安倍首相とも親交がある。以前はこの北方領土問題について22回もの話し合いがもたれていたそうだ。残念ながら交渉成立には至らなかったが、その理由は日米の地位協定にあるという。要するにソビエト時代サンフランシスコ条約にソビエトが署名しなかったのはこの地位協定が問題になっているそうだ。つまり日本が改憲によりこの地位協定を見直すことが出来れば、北方領土問題は何らかの進展がみられる可能性がある。
因みに、この国会中継で外務大臣が答弁に立ち平和条約締結の前に領土問題解決が先だという政府見解を述べていたが、これではせっかくのチャンスを目の前にしてそのチャンスを失う事に成らないだろうか。もし本気で領土問題の解決を目指すのであれば、日本はロシアに対して、現在行っている経済制裁を段階的に見直す用意があるとして、まずは交渉のテーブルを用意する準備があることを伝えるべきではないだろうか。
結局このような質問はどのような結果を導こうとしているのかを考えれば、逆に質問者の考えが見えてくる。例えば奈良シカ問題は、日本の文化やアイデンティティーが傷つけられたという問題より、首相はSNS等の情報に惑わされているとの印象を刷り込みたいだけのように感じた。また、選択的夫婦別姓問題の質問では、質問の間何度も時計を見直したほどで、質問者はこれほど国民生活がひっ迫していることなどまるで目に入らぬようで、宛名を間違えると相手に失礼だなどと発言されていたが、そんなことをことをわざわざ政治家に頼む暇人はいるのかという思いが込み上げてきて、このような質問を受ければ受けるほど逆に首相の株が上がってしまうように感じていた。
因みに現在の政府について、その有能さをいえば先日発表されたメガバンクによる暗号通貨の開発を金融庁が支援するという片山大臣の発表がされたばかりだ。これはトランプ革命の肝ともいえる重要な取り組みで、これが進めばこれまでのIMF一強体制は大きな転換点を迎えることは間違いない。というのも暗号通貨についてはすでにIMF主導でCDBCという暗号通貨が発行されていたところだった。こんかいのスティーブルコインはこれに対抗する形でトランプ政権が進める新しい暗号通貨になる。恐らく日本経済はこれによる決済が今後増えてくるはずで、これが進めばアメリカと日本経済はますます一蓮托生の状態になる。つまりこの2国間で経済循環が成立してしまえば通貨の大暴落による国家存亡の危機は無くなるに違いない。これほどドラスティックな出来事が現在の政府によって進められているにも拘らず、国会の質問を用意した彼らは、そこで何が起こっているのかさえ分からないでいるのかもしれない。とりあえず日本人であれば落語の鹿政談ぐらいは理解できるようになった方がいい。「切らずにおけ」との御沙汰に「豆で帰ります」と答える、人様の言葉尻ばかり噛みついていないで日本人ならここはスカッとするところです。