盾つく虫も好き好き
2025年 11月13日 国家存立の危機

「問われて名乗るもおこがましいが、知らざあ言って聞かせやしょう」歌舞伎の演目通称「白波5人男」に出て来る有名な台詞だ。今日は何故こんな始まりになったかというと現在大変シビアな外交問題となっている台湾有事の認識について話題にしたいと思っている。さて、この切っ掛けとなったのが、国会質問に対する総理の答弁だ。現在この回答に対する中国外交官のSNS「X」での投稿が首相に対する殺人予告のように受け取られることが問題視されている。この内容を読めば日本人であれば逮捕されて当然のことに思える。ところが問題はこの発言は中国の外交官の投稿で、場合によっては外交問題になりうる可能性があるからだ。
とはいえ、この問題が看過できないところは日本政府がこれを無視した場合、日本政府はそもそも国民の生命財産を守る意志がないと言う意思表示になる。しかもこの外交官は過去にも不適切な言動を重ねており、本来その時点で適切な制裁があれば、外交官が殺人予告にまで及ぶ可能性はなかったと思われる。このような事態に茂木外相は中国に対して日中間の外交に影響が出ないよう速やかな対応を呼びかけている。つまり遺憾では終わらせないという態度なのだ。本来このような総領事は相手国の命により派遣されるものだが、これについて受け入れ国はいつでも受け入れ拒否することができ、これをペルソナノングラータという外交上の取り決めなのだそうだ。今回の案件は直ちにこれの発動が可能な状況と思えるが、日本政府はここで中国政府の対応を窺うつもりなのだろう、もし中国政府が対応しなければ、日本政府は外交措置としてペルソナノングラータを発動するに違いない。
そうなれば、事態は急にエスカレートして悪くすれば、制裁の応酬合戦に至る可能性もある。とはいえ中国側はあまり大きな態度には出られないのではないだろうかと予想している。というのも先日、日本は日米同盟の強化を確認し合ったばかりで、当然、このような事態についての確認済みのはずだ。これについて今のところ、トランプ大統領は個人的な問題についてのコメントは控えるとしているので、日本が外交問題とし扱わない限りは、この件についてアメリカの介入は控えられるだろう。つまり外交問題とするかどうかは、日本の認識次第という事に成る。また日本がこの件についてさらに有利な点は、日本の九州にはTSMCという台湾の半導体工場が存在することだ。ここで製造される半導体の多くは中国企業が使用しているので、日本が緊急事態によりここからの輸出を止めれば、中国のエレクトリック産業は完全にストップしてしまうのではないだろうか。
それにしても先日の日本のジャーナリストのTV発言と言い、はたまたチャーリーカーク氏の殺人事件と言い保守系の言論はことごとくこのような暴力にさらされている。このような治安の乱れが常態化しない為にも、今回の騒動には政府として毅然とした対応が望まれる。とはいえ、このような物騒な環境にあっても今の首相は自分の信念を曲げず毅然として国政を牽引し続ける姿は頼もしいというよりない。
それに引き換え、このような事態に陥る可能性が充分考えられたであろう国会質問を、あえてした彼らの意図を考えると、彼らは国家転覆でも考えているのかと勘繰りたくなる。しかも、これに対する中国政府への非難を彼らが真っ先にしていることも、なんだかマッチポンプの現場を見ているようで気持ちが悪いこと甚だしい。結局先日来、彼らが国会で質問した内容を繋げて見ても、彼らによってこれから国民生活が良くなるという希望を持つことは出来なかった。確か彼らは労働組合から多くの支援を受けていたはずだが、給与の上がらない労働者にとって組合費は、様々な税金と同じくらいの負担を彼らの家計に強いているはずだ。にも拘らず、あの質問の中に組合費に見合うだけの質問はあっただろうか。むしろ治安が乱れるような質問や、それどころか国民の生命が危険に晒されていることについて、まるで配慮がないように感じた。というのもこれは大袈裟に言っているのではなく、先の国会質疑において議長が総理大臣に答弁の負担が集中するように外務大臣が答弁に立つことを大声で遮ったことや、総理の答弁前に時間が2分と釘を刺していたところは、議長の国会に対する認識を疑いたくなる。というのも国会義員を何年も続けていれば、この答弁のためにどれだけの官僚や事務官が朝から資料を準備をして回答を用意していたのか分からないはずがない。このような対応の為朝の3時から止む負えず、対応しなければならなかったことを思えば、議長の後2分という掛け声は、総理にとってあまりにも不誠実に聞こえたに違いない。つまり、国民にとって有益な質問であれば、これに対する政府の答弁は大変重要になる。初めからそのような認識が議長にあれば、むしろ質問者に対して質問の要旨を出来るだけ纏めて質問することを促し、答弁の時間に配慮を怠らないのが議長の役目だろう。