盾つく虫も好き好き
2025年 12月14日 舞台の裏側

日経新聞の記事によると【オスロ=共同】ノーベル平和賞を受賞したベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏(58)が11日未明(日本時間同日午前)、平和賞の授賞式が10日にあったノルウェーの首都オスロに現れた。というところがこのニュースの裏側で起こっていたのは、強権政治と言われるマドゥロ政権下にあるベネゼエラからの脱出劇だった。この詳細についてテレビの報道番組で取り上げていたが、まるでスパイ映画さながらの脱出劇だった。ところが、この番組に登場したコメンテーターはこの脱出劇に対し、トランプ政権のCIAが関わったのではと言って、この出来事を何やら不満そうに伝えていた。
それにしても、ここまで他国の報道番組から異常なほどのパッシングを受けるアメリカ大統領はこれまで居ただろうか。実際、この様な状況のトランプ大統領に対し日本国民の思いはどうであったかといえば、先日来日された時の歓迎ムードを見れば明らかなのだ。しかもその思いはトランプ大統領にも通じていたようで、車で移動する際、異例なことに沿道の観客に対し室内灯を付け存在をアピールしていた。このように日本国民は明らかにアメリカ大統領に対し好意的なのにもかかわらず、何故マスコミがこのような異常な態度をとるのか頭を傾げてしまうのである。
ところが、これと同じことが何と日本の総理大臣にも起こっている。特に異常とも思える行動に視えたのが、今回の中国による自衛隊機に対しての火器管制レーダー照射事件である。この事件は予め武力衝突を避けるため取り交わされていたルールに違反する。ところがこのような番組は、明らかなルール違反には触れずに、このような事態に至ったのは、首相の存立危機事態に関する発言にあるという。しかもこれまで日本の政治の中枢に関わってきた政治家までもが、有事の認識自体を公言しないことが正常であるかの様な発言をしている。この発言が狂っている点は、物事のガイドラインは曖昧にするべきだということと同じなので、法治国家としての有り様を完全に否定しているのと変わらない事に成る。
恐ろしいことにマスコミ以外にも国会議員がこのようなことを国会の場で平然と発言してしまうのだから呆れてしまう。ルールや法律が何故あるかといえば、これがなければ武力の優劣が物事を決める基準になりかねないからだろう、つまり法律というのは超えてはならないレッドラインを明確化することに他ならないのである。これを今回の存立の危機認識から始まる一連の騒動に当てはめてみると、総理はこのレッドラインについて明確に示しており、改めて国の定める有事法制をなぞるものだ。単なる推量で発言しているものではない、他のレクチャーを受けなかったのは、総理大臣の職務を考えた場合当然誰よりも理解していなければならない事柄であったからだろう。
それにしても法律の認識を曖昧にしておこうという発想は、そもそも国の定める法律を遵守しようという遵法精神すら危ういのである。一体この様な人達は日本をどこに導こうとしているのか、それは答えは失われた30年にあるのではないだろうか。