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2025年12月16日gallery,ようこそ,日々のブログ

2025年 12月16日 小説「EUとIMFの崩壊」vol2

特別軍事作戦といえば、過去に旧大日本帝国時代に使われた満州事変や日華事変という言葉遣いに似ている。簡単に言えば国同士の衝突ではなく内乱のようなものなので他国は、これに口を挟むなと言う事なのか、このような言葉遣いに拘るのは、なるべくことを荒げたくないとのロシアの思惑を感じる。とはいえこの行為はシナリオの内の序章にすぎなかったことは前述のとおりである。

結局、戦争の始まった22年3月早々トルコによる停戦協議仲介により一度は講和に向かいだすかに思えた状況が、同年6月イギリスジョンソン首相のキーウ訪問からこの期待は崩れ去る。

そして、ことしトランプ大統領誕生により再びウクライナ戦争講和への動きがようやく動き出したかに見えたが、こじれにこじれた戦況は過去に想像していた状況とはかけ離れたものだった。要するにアメリカがウクライナへの支援を止めればこの戦争はすぐにけりがつくと思われていたものが、その条件だけでは済まない状況に来てしまっているのだ。

というのも、アメリカの支援を肩代わりする国が、ここにひょっこり登場してきたのだ。それが日本という国だ。本来アメリカの支援はアメリカ国債発行の上限が変わらない限り終了しなければならないはずだった。ところがこの時、アメリカ議会に日本の首相が乗り込み「その金日本が出します」と演説して議会から喝采を浴びていた。ところがこれほど気風のいい首相が自国で震災が起こると財源がない予算の前倒しが必要などと言ってなかなか震災復興に着手しない。一体ウクライナへの支援は誰のお金を当てるつもりなのか理解できないのである。

ウクライナ戦争の意味するもの

ところで、世界中数多ある戦争の中で何故ウクライナ戦争が重要なのか。その理由はこの結果によりこれからの世界経済は決定されることになると思うからだ。そしてその筆頭にくるのがIMF体制の危機だ。この理由はこの戦争が始まる当初世界各国の行った経済制裁がある。というのもこれによりロシアの海外資産は即時凍結されてしまったのである。その額はなんと西側全体で53兆円にのぼると言われている。これほどの資金を止められたままGDP世界11位の国が、NATO33カ国から供給される潤沢な支援をものともせず戦い続けているのは、理屈に合わないと気付くべきではないだろうか。つまりロシアはIMFが供給する資金以外の方法で資金を得ているというのが、最も合理的な考えにならないだろうか、その考えの一つに中央銀行(swift)を介さない決済システムをロシアはブリックス内で構築しているのか、或いはIMFの送金システムのどこかに穴があるかだろう。

資産凍結が招く事態

ここで先日、EUはロシアのこれらの資産凍結解除の条件を事実上見直さないことに合意してしまった。これにより凍結解除にはEU各国の承認が必要になり一国でもこれに反対があれば解除は認められないという。さてここからがまともな日本人ならドン引きしてしまうところだが、どうせ使えないお金ならこれをウクライナ支援に使ってしまおうという考えだ。例えは悪いが死刑囚の持ち物は勝手に処分しても構わないという考えに近い、この考え方は、かりにも契約ごとで成り立つ法治国家が受け入れて良いものだろうか。

改めて問う、信用とは何か

この問いは、そのままお金とはどのように生まれてくるのかという問いにもなる。このブログでは勝手にお金は価値を担保できるツールだと定義しているが、この担保という言葉はそのまま信用という言葉に置き換えている。つまりお金は価値を信用して貸すという行為により世の中に生まれてくる。たいがい銀行は集めたお預金を貸し出して利鞘を得るイメージになるが、実際貸し付けるお金は一般の銀行が相手を信用さえできれば、その資金は日銀から用立てることが出来る。その後、企業が売り上げからこの返済を行えばお金は次の資金になり、さらにそれ以上の借金をすれば、またまた世の中にお金が増える事に成る。つまりお金を刷るれば世の中のお金が増えるのではなく、借金したいという思いが世の中にお金を生み出すことになるのだ。そしてこの信用に最も大切なことは永続性があると言う事で、これがなければそれほど大切なものを預けておくことはできないだろう。

これがなければ銀行業務のもう一つの大切な機能である送金機能は成り立たないのである。(この話やはり厄介である)