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2025年 12月21日 理由は日本が知っている

Yahooニュースに「トランプの「金利1%」要求は狂気の沙汰 理由は日本が知っている」という見出しを見つけた。読んでみるとフオーブスジャパンの切り抜きの様だった。内容はトランプ大統領がFRBのパウエル議長に対し短期金利を1%に引き下げるよう要請しているということをこの記事の筆者は正気の沙汰ではないと表現している。また気になる「理由は日本が知っている」と書いてあるが私は会員登録していないので記事全体を把握していない。なのでここからの文は私の勝手な推測だ。

さて記事の流れは金曜日に発表になった日銀の政策金利0.75%に触れられていた。要するに日本経済の停滞は日銀の金利政策失敗にあるのでこれを見直した植田総裁の判断は正しいという内容だ。この記事によると景気の停滞はデフレにあるという見方だ。私はこのデフレについては日本人の賃金上昇が低く抑えられている現状が招いた結果だと解釈している。ところがここにウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰が世界中を襲った。その結果すぐに物価上昇が起こり、労働組合がまともに機能している諸外国では直ちに賃金上昇となって表れた。これを正常なインフレと判断したEUの中央銀行は、直ちに利上げに動いた。この結果が現在EU主要国が直面している個人所得は伸びているにも拘らず国民が生活苦に悲鳴を上げている状態だ。

この状況は大西洋を隔てたアメリカでも同様の事態に陥っていた。これに対してトランプ大統領が公約したのはドリルベイビードリルだ。要するに安価で安定したエネルギー政策がアメリカ経済復活の鍵だと言っていた。そして経済の悪循環を断ち切るもう一つの対策がFRBによる高金利政策を止めることだ。このことについてアベノミクスを継承する現在の日本がその理由を知っているという表現になったのだろう。確かに日本は個人の賃金上昇は低いままなのだが、経済成長が止まっているという見方は正確な評価だろうか。

以下の図は現在の経済指標のGDPと私が若かりし頃使われていたGNP国民総生産という指標を比べたものだ。何を言いたいかといえば日本は海外でも莫大な利益を上げていると言う事で2023年の時点でもこの開きは40兆円に達している。

とはいえ、何故国民は経済の停滞感を感じるのかといえば、国民が経済成長を全く実感できない仕組みにあるように思う。このことこそ法人税率引き下げ政策と雇用形態の変化が日本人の経済を停滞させてきた原因だろう。加えて、30年前の事を持ち出せば、財投は汚職の元凶だとして歳入を国債発行に切り替えていった時期でもある。それまでは個人が国債を保有すると言う事はむしろ稀だったのだ。要するに国債といえば国会を通さなければ支出できないお金であり、国債残高は国民の借金という間違った刷り込みにより財政出動の硬直化を招いているのだ。これにより国債金利が公債費として一般会計の計上されるようになった。それまで、財投のほとんどが郵便貯金から支出されており、郵便貯金の貸し出しについて国会で審議されることはなかっただろう。因みにこの資金は郵政民営かの時点で貯金は250兆円で、保険は150兆円の資金を保有していた。この資金を郵政は国の機関として政府に直接高額の金利で貸し出し、一方利用者である国民には驚くほどの金利を付けて償還していたのである。つまり、国の資産など借金しかなかった時代に日本は、このような政策により国民に労働の対価を与え、豊かな暮らしを与えてきたのである。何を言いたいかといえば日本が過去に高金利政策を取れたのはその影にこのような政府の機関が支えていたからに他ならない。この絡繰りを知らずに高金利政策など始めれば、一度は海外から資金は集まっても国民は疲弊して、日本は安い労働力市場として使い捨にされてしまうだろう。

そこで、今回の金利上昇政策で被害を被る国民の生活を護るために、JPYCによる国債の買取と金利上昇の被害を被るであろう、資金難の企業、住宅ローンの返済に困難が生じる債務者、或いは教育に関する債務者に困難を生じる者には政府から直接の融資を検討できないだろうか。というのも企業の資金難は企業が特別な技術を保有している場合もあり、場合によっては技術流出の危険性もあり得る、また伝統工芸品など技術の伝承が途絶えることにより、再現不可能となってしまう技術もあり得る。能登の漆工芸などは植林からの一括したサプライチェーンの維持が求められ個人による再建など困難に違いないからだ。