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2025年12月27日gallery,ようこそ,日々のブログ

2025年 12月27日 歴史認識

この図は中国語のHPから引用したものだが、何を目的のHPかは理解していない。https://www.ditu114.com/ditu/1142.html

このHP見出しには老地图114とある。ところがこの図の下部には何故か日本語が書かれている。そこには昭和13年10月1日とある。昭和13年といえば、その前年の6月第2次上海事変が起こる。そしてこの年1937年12月13日に日本軍は南京中山門より入場行進を行う。ところでこの出来事の裏では30万人を超える無抵抗の市民が虐殺されていたとされているのだが、この図を見て何か違和感を感じないだろうか。

というのもこの図の下にある写真は、南京城地域の名所を東京にある絵ハガキ屋さんが印刷したものだ。つまりこの写真には日本人宛の観光誘致という目的があるはずなのだ。

そうだとすれば、現代の歴史認識を信じる日本人は頭を傾げる事になる。というのも戦闘により破壊し尽くされたこの街が無傷のまま残っていることに違和感を感じないだろうか。しかもこの時点で、日本人の観ここを訪れ街中をうろついていても安全だという確証がなければ、民間の絵ハガキ屋がこんな写真を扱っただろうか。

ところで先日「南京事件から88年」というタイトルの動画を見つけ視聴してみたが、結局これまでの歴史認識は間違いない一点張りの動画だった。これを視てつくづく思うのは、学校教育で扱う歴史は何故こうもつまらないのかという思いだった。結局この動画を最後まで視聴することは出来なかったが、何故ここまでつまらないと感じたのかといえば、この動画には歴史の何故というものが欠落しているのだ。結局この動画の内容は巷に転がる学説を並べただけにすぎなかったからだ。つまり東京裁判は判決が出ているので、これは間違いがない。南京事件は誰それの論文に書いてあるので、これも間違いがないという論調なのである。お笑いの世界ならこの「間違いない」というフレーズはユーモラスにも感じるが、現実に起こっている日本の被害を考えると笑うだけでは済まされない。

さてこの動画では、南京事件に対する様々な疑問に対してこの間違いないの反論を繰り返すのだが、ところどころ曖昧な印象操作により南京事件の史実化を目論んでいる。その例が日本軍による渡洋爆撃についてのくだりだ。この渡洋爆撃とは上海事件を切っ掛けに日本軍が行った九州、台湾からの地上爆撃なのだが、日本軍による都市爆撃のように語られている。とはいえ攻撃目標は軍事施設であるが、空港や補給拠点が都市周辺での爆撃のためにこのような表現になっている。

残念ながら東京大空襲をはじめとする、都市への攻撃を体験した日本人はこの攻撃を上海や南京への無差別爆撃と同様に受け取られやすい。しかしながら実際どれほどこの攻撃により被害が出たかといえば、B29の十分の1ほどの大きさの機体で、その数も30機に満たないほどの攻撃でしかない。つまり民間人の受けた被害を比べれば、世界中で起こった都市爆撃とは同列に出来ないレベルに思う。

さらにこの動画の無理筋な点は、虐殺被害者の人数に対する考察で、人口20万人の都市で30万人の虐殺は有り得ないという反論に対してだ。これについて南京城内の人口は20万人かも知れないが城壁外で暮らしていた人の数も合わせれば、30万人でもおかしくないという論調だ。

これについていえば、そもそもなぜ日本軍がそれほどの中国人を虐殺しなければならなかったのかという疑問がある。つまり一つの都市を無人化して何の利益があるのか。つまり都市が便利で賑わうのもそこに人々が暮らしているからで、市民が済まない都市に何の魅力が有るだろうかと考えないだろうか。結局都市は市民が暮らしていてこそ価値があるのである、もし20万人もの人間を初めからそっくり入れ替えることを計画した場合、それは戦争以上の労力が必要になるだろう。しかも、蒋介石はこの時すでに南京を放棄して国民を重慶に向かうよう指導している。こうなれば、日本軍の主流は追撃戦の為、南京に留まっている暇は無かっただろう。というのも同年6月には武漢攻略の為さらに兵を進めているからだ。このようなときに罪のない中国人を殺害し日本軍への敵愾心を煽れば、恨みを持ったゲリラ攻撃が多発し場合によっては挟み撃ちに合う可能性も出て来るのである。

さて、南京事件といえば嘘か本当かという2元論のように語られやすい。確かに日本軍による渡洋爆撃は有ったのかなかったのかと問はれればあったと答えるしかない。とはいえこれが何十万人規模の大虐殺事件と関わるのかといえば、言いがかり程度のように思える。そして南京における虐殺について、このことも日本軍は1万人以上の処刑があったことを認識しているので何もなかったことにはならい、中には冤罪の市民も多く居られたかもしれない。しかしながら、事実無根の市民を日本軍が無秩序に処刑していれば、市民は黙っていなかったのではないだろうか。