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2026年1月8日gallery,ようこそ,日々のブログ

2026年 1月7日 積極財政と緊縮財政

財布の紐は締めるべきか緩めるべきか、財布の機能を考えればどちらの機能も整っていなければ恥をかく。ところで財布はお金を持ち歩くための機能しかないのでこの譬えを国家の財政や家計の話と同列にすると訳の分からないことになる。というのも財布の心配をするよりお金をどうやって稼ぐかを考えなければ国庫や家計の議論は初めから成り立たない。

そもそも積極財政派の考えはここからスタートしているので、国家として資本をどの方向に仕向けるかが積極財政派の主な関心事になる。つまり緊縮財政派とは初めから戦う土俵が違っている。

ところでこれまでの日本経済といえば敗戦により財閥は解体され生活インフラすらすっかり失ってしまった。つまりお金を稼ぐ産業自体が失われてしまっていた。このため日本の通貨もまるで価値を失ってしまいこれを補うためには海外の通貨を手に入れるしか日本経済の信用を得ることは出来なかったのである。そのため、外貨獲得の旗頭となったのが、鉄鋼、造船、自動車、半導体などの製造業である。とはいえ製造業といっても、ホンダやソニーに象徴されるようにその多くが今でいうスタートアップベンチャー企業と思しきものだった。

現在でこそ世界に冠たる日本の製造業だが、その陰でこれらの製造業を支えてきたのは分業制による中小の下請け企業だった。というのもこの様な日本企業が培ってきた特殊技術は世界中替えが効かないものらしい。例えばタイヤの空気を止める1グラムにも満たないバルブ(ムシ)では太平洋工業という岐阜の会社が、世界中で50%のシェアを誇り、年間2千億円を超える売り上げを得ているという。実はこのことが日本の技術力を支える切り札となっている。というのも現在、大手企業のほとんどが海外資本の傘下に組み込まれ、海外に生産拠点を移している中、これらの企業は日本に留まり技術立国としての面目を保ってくれているのだ。つまりこのような企業に日本人が投資をしなければ、いずれこのような会社も海外資本に飲み込まれる可能性が出て来るのではないだろうか。

何を言いたいかといえば、これからも様々な技術革新が世の中を変化させていくことは間違いないが、資金に余裕の持てないこれらの企業が、このような環境で技術革新を進めていくためには日本政府によりサポートしていただくしかない。

つまり、このような日本企業が産み出す製品により、日本円は需要を生み、その価値は担保されるのではないだろうか。結局財政が健全であれば円の価値は保たれるという話には何の根拠もないのである。ようするに円の需要があってこそ積極財政は破綻しないという理由付けが出来る。

逆にどのような場合に財政破綻は生まれるのかを考えると、要するに円の価値が失われれば簡単に財政は破綻してしまうわけだが、法定通貨が何故その価値を失うのかというという問いになる。それではお金と物の価値が釣り合わない状態がなぜ生まれるのか、これに至る最も大きな要因は為替の影響だ。例えば日本のライフラインに関わる支払いを必ず外貨でしなければならない場合は、場合によって外貨との均衡が破れハイパーインフレによる財政破綻というシナリオも考えられるのである。現在アメリカが自国のサプライチェーン構築に躍起になっているのもこのような理由によるからだろう。

つまり、財政破綻の危険性は国債残高ではなく円の資金需要を守れるかどうかに掛かっている。その需要を支えているのが円により生活を営む日本の人口であり、海外から円を介して求められる日本製品の魅力なのだ。要するにこの2点を蔑ろにする政策こそ亡国の挙と言える。この点、先の政権で日本の稼ぎ頭であるTOYOTAが理解のしづらい国の安全基準により不当な処分を受けていたことには未だに怒りが治まらない。たとえ国の基準と合わないことがあったにしろ、実害が出ていないのであれば、政府は合理的な基準を新たに企業に提示し、再検査を受けさせれば何ら問題は無かったはずだ。結局これによる税収減は、国庫に対する損害といえないだろうか。このような政策を見過ごしてプライマリーバランスといっても誰のためのバランス取りなのか、その真意を考えたくなる。それにしても、かつてこれを良しとした政治家は、この不条理に何ら気づかなかったのだろうか。企業の納める税金は積極的に減らし、国民には平気で増税を押し付ける、国民にとってこれでは裏金どころでは済まないはずだ。