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続 盾つく虫も好き好き

2026年4月19日ようこそ

2026年 4月19日 日本とSDGs

最近よく使われる言葉だがこれを正確に説明できる人は少ないだろう、これは2015年の国連サミットで決まった17項目にも及ぶ国際的取り組みの目標なのだそうだ。目標なのでこれに批准しない場合の制裁などはない。その代わりこれを守らない国は、ランキングなどを使って国際的辱めを受ける。

因みにSDGsといえば一般的には環境に対する取り決めというイメージが強い。しかしながら、その中身を見れば貧困問題やジェンダーの問題など17項目にも及ぶ多様なものだ。つまりLGBTQの取組もこの取り組みの一つで、これについて現在のアメリカ政府とは仇のような存在になるのも致し方ない。では日本はどうかといえば、やはりこのような視点で皇統に対し評価を下すので右傾化した考えを持つ人ほど断じて受け入れられないという思いになる。とはいえ、右派だからと言ってここに掲げられている内容を全て否定しているわけではない。私などそんなことは、1,500年以上の昔から日本社会ではすでに織り込み済みだと思っている。

たとえば先ほど例に挙げたLGBTQの捉え方も、映画国宝にあったように日本で信仰や文化的に女性に制限が加えられる所では、男性が女性に見違えるまで徹底的に訓練を積み重ね、誰が見ても違和感のない状態まで整えられて、ようやくその敷居を乗り越えてきた。髭面のまま舞台に上がるといういい加減さはそこにはないのである。つまり努力を尽くして不可能に思える敷居を乗り越えることが文化を持続させることだと日本人は捉えている。

このような視点でSDGsの取組方を見るとあまりにも荒っぽさが目立ってしまうのだ。つまりこの状態でこれを人類の目標にするのは如何なものかという気持ちになる。具体的に飢餓を0にしようといえば、いきなりコオロギを食べれば問題解決だと決めつける。お陰で既存の農業は炭素ガスを排出する敵にされ、蓋を開けてみればアレルギー反応などの健康への配慮や、長年培ってきた食文化への配慮など考慮されているのかどうか怪しい状態だ。

特に脱炭素イコール温暖化の抑制という発想も本当に炭素の排出だけが異常気象の原因なのかといえば、そうとは言い切れないデータもあるのだ。さらに矛盾に思えるのは排出ガスを商品化して売り買いの対象にしてしまえば、一方で貧富の差をなくすと言いながら、どうしても化石燃料に経済発展を頼らなければならない新興国は、先進国に比べそれだけ経済的ハンデを負う事になる。これでは貧富の格差をなくすはずの取組がかえって格差拡大を助長することにならないだろうか。

因みに昨日私はとあるリノベーションマンションの内覧に立ち会ってきた。内覧と言っても改装が出来上がった状態ではなく、室内の土壁によるリノベーションを見学するということなので、会場はまさに工事現場という状態だった。ここで私が驚かされたのは土壁づくりという伝統技術の奥深さだ。先ほど述べた持続可能な発展目標とはまさにこのことだと感心してしまったのである。

会場にはリノベーションの施工業者と土壁を制作した左官職人が、リノベーションについての思いを語ってくれた。ここで室内に土壁を用いることのメリットといえば湿度と断熱性、意外なことに美的な居心の良さを感じた。というのも20畳ほどの部屋に10人ほどの大人が収まっても息苦しさを感じることがなかったのである。また寝室となる部屋もわざと天井を低くしたそうだが圧迫感が全くなかった。

業者の説明ではこれが土壁の効果なのだという、要するに洞窟に暮らした人類の遠い記憶を呼び起こすのではないかと云われていたが、なるほどと思った。寝室を囲む壁面は2次元的な平面というより藁やがごめ昆布が混ぜ込まれ複雑な景色となっていた。また一部の造作には吹き付けという技法が用いられ、これは敢えて小手による作為を消すためだと言う。こうなると壁というより芸術空間という表現が正しいのかもしれない。また、土壁の施行について言えば、現在の海峡封鎖の影響は全く受けないという、確かに素材は土と水、砂に藁なので石油が関わることはない、しかもブルーシートなどの養生すら茣蓙を多用しなるべく使わないという徹底ぶりだ。さらに土壁の魅力はこれだけで終わらず、いつか使われなくなった壁は剥がして砕くことによって何度でも再生が効くという、そこまで考え尽くされた仕事が現在に伝えられる日本の仕事なのだ。

つまり日本の技術は完成品だけでは終わらず、用が済んでも元に戻ることが前提の技術と言う事になる。先ほどの脱炭素エネルギーの話に戻れば、確かに太陽光パネルや、風車は発電中の炭素排出はないかもしれないが、果たして耐用年数が過ぎた後も安全な状態で元に戻される設計になっているのか心配になる。それどころかこのように雑な扱いのSDGsが日本の景観を破壊している状態なのだ。

さらに職人さんの話は続きがある、彼は左官職人の家に育ったが、彼が物心ついた時父から送られた誕生日プレゼントは左官仕事に使う小手だったという。因みに他の兄弟に送られたプレゼントは普通のおもちゃだったと言うので恐らくこの時から彼の運命は、左官職人に決まっていたのだろう。この話を北斗の拳にあった一子相伝の世界に当てはめると、父親は継承者を兄弟に争はせるでもなく、自分の目で子供の資質を見極めていたのだろう。彼の話を聞いていると結局父の目には狂いがなかったのだという思がする。

日本の技術といえば最先端の科学技術が注目されがちになるが、日本最古の企業は世界最古の企業であり西暦578年創業の金剛組と云われる建設業だ。因みに大工といえばメシアの父も大工を生業にしていたそうだ。そう思うと日本に息づく彼らの技術もその時代から伝わる尊いものかもしれない。職人が取り出して見せる何十丁の左官小手を眺めながらそんな思いを感じていた。

 

 

 

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Posted by makotoazuma