今日のできごと
２０２１年 ５月２９日 どこにも辿り着かない
先ほど朝食を頂きながら三島由紀夫氏のドキュメンタリー映画をみていました。最後まで見てはいなかったのですが東大全共闘の学生との討論会で、学生からのオファーにより討論会の様子を実写と関係者のインタビューで構成された映画のようでした。
討論会の映画なんて退屈でしかないようですが、要点を抑えた作品で退屈はしなかったのですが、私には「朝まで何とかテレビ」のような、結局最後まで見てもどこにも辿り着かないことのように感じて、途中見るのを止めました。
事の顛末を知る人間からすれば「あの騒ぎは何だったのか」そんな興味から番組を見始めましたが、結局、「暴力を否定しない文人と暴力をもってでも暴力を否定する学生との討論会はお互いの自己矛盾を抱えたまま登壇し、討論では相手の自己矛盾をつつきあうような、公開討論でありながらその論旨を突きつめると極めて矮小な世界での戦いのようでした。
結局討論の結果はせいぜいお互いの立場をアピールすることくらいの成果しか無かったのではと思いました。
ところで私は三島由紀夫氏の作品については、ほぼ読んでいません。なので、彼の文学については何も話すことが無いのですが、引き起こした事件とその影響については残念な思いがあります。当時からあれほど著名な文学者なのであれば文学での活躍により日本人の心を揺さぶってゆく啓蒙の道があったのではないかと思うのです。
日本を愛する心があったのなら日本人が太古よりどれほど平和を愛し、問題解決にあたっては常に和を尊んできた民族であること。そして暴力に訴えるのは、愛するもの、愛する国土を守るためのやむにやまれぬ選択であったことそのような事実を世界に訴え世界に注目される作家であってほしかった、なのであの陳腐な軍服姿は悲しすぎます。