今日のできごと
2021年 8月20日 ひび割れた魅力
織部焼の話ではありません。音の話です。今でもメタルといえば、ベビーメタルに繋がるヘビーメタル、私が洋楽に親しんでいたころは、ハードロックと言われていました。
ディープパープル、レッドツェッペリン、そして、衝撃的ビジュアルのKISS、ギターといえばジミーヘンドリックス、ジェフベックが奏でる音はまさにひび割れた音でした。そして、そこで歌われた歌もひび割れていました。どことなく投げやりで行き場を失った情熱のように世の中を斜に見たようなそんな世界を歌っていました。
当時は、反戦で一つにまとまっていた意識が、皮肉なことに平和の訪れによって行き場を失ってしまったんです。魂の解放という高揚感は無気力と退廃の世界に次第に飲み込まれていきました。
残されたのは孤独に向き合う自我の世界です。ところで、今日のテーマひび割れた魅力からずいぶん離れてしまったようです。
本当は私たちは音についてクリアーで澄んだ音ばかり求めていないのだということをお話したかったのですが、昔話が挟まるとその引力にあがなえないおっさんがいます。話を戻すとひずんだ音の中にも心地よさがあるという人間の多面性があります。清濁併せ吞むという言葉があるように、人生は一筋縄ではいきません。困ったことに泥の中にも喜びがあるようです。