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思考ラボ

2024年7月26日gallery,ようこそ

2023年 12月12日 平和とは何か

この言葉を説明するにもアプローチが2通りあるようだ。たとえば状態を表す、穏やか、和らぐ、のどかなどの表現。一方対義語の否定という表現の仕方もある。例えば戦争や暴力がない状態などという表現だ。ではどちらの表現がより具体的かといえば、私は後者の方に軍配を上げるつもりだ。

さて12月も中旬に入りいよいよクリスマスも近づく時節になったが、今の世の中、平和などという言葉とは無縁の感がある。昨晩は偶然「平和を望むことにも残酷さが潜んでいる」というニュアンスの切り取り動画を目にした。切り取りなので正しい文脈はわからないが、私が受け取ったニュアンスは平和の為であればウクライナのように弱い立場の国は、見殺しにしてもよいのだろうかというものだ。なるほど日本の一般的常識ではウクライナ戦争はこのように受け取られているのだと思った。

というのもこの戦争についてはよほどの関心がない限り、このような捉え方になるのは無理のない話だと思っている。何故ならこれが日本政府のいや国連も含めた西側諸国のコンセンサスだと言っていいかもしれない。この言葉によれば一方的に軍事侵攻されたウクライナはかわいそうという見方になる。ところがこれに対しロシアの言い分ではこれは戦争ではない特別軍事作戦だという、西側の我々はこんなロシアの言い分など詭弁そのもののように感じてしまうのだが、果たしてこの戦争はどちらの言い分が正しいのだろうか、私は通常の裁判であればロシアの言い分についても公平に検証されてしかるべきではないかと考えている。ところがこの戦争が起きて、すでに2年を迎えようとしていながら現在もロシアの言い分については全く顧みられることがない。私はこの戦争の闇はここにこそあるのだと思っている。

私はこの戦争の経緯についてはこれまで何度も触れている。とはいえ改めてこの戦争の経緯を要約すると、この戦争の始まりは1991年のソビエト崩壊直後からロシアとウクライナの関係はすでに危険な状態にあった。ところがそんな危険な状態は、ようやくヤヌコヴィッチ政権が誕生し、これでウクライナにも平和の時代が訪れるかと思いきや2014年のクーデターで政権は倒され、混乱状態に陥ったウクライナは、とうとうドンバス地方に在住する親ロシア派住民と西側寄りの住民とで国が真っ二に分かれてしまった。この時親ロシア派の住民はウクライナからの独立を宣言するが、周辺国からの承認は得られずそのまま内戦状態が続いた。このためロシアと国連、フランス、ドイツがこの間に入り結ばれたのがミンスク2の停戦合意だ。

この時の条件としてロシア側の要求はドンバス地方の非武装中立化とウクライナのNATO加盟を認めないことだ。ところがロシアの言い分によるとこの停戦合意は昨年の侵攻開始まで一度も守られることがなかったそうだ。というのはウクライナのアゾフ連隊などによるドンバス地方住民への攻撃がその後も継続されていたとされるからだ。さらに今回のロシアによる侵攻を決定的にしたのがウクライナのNATO加盟についての言動だ。このような発言に対し2021年の11月の時点でプーチン大統領はアメリカの大統領に対してウクライナのNATO加盟を認めないということを確約しろという声明を出している。結果的にアメリカの大統領からの回答はなかったとされる。このような経緯から見えてくるのは、この戦争は一方的な現状変更による侵攻と言い切ることが出来るだろうか。また特別軍事作戦という耳慣れない言葉もこの攻撃はウクライナ国民に対する攻撃ではない、ということをロシア側は表現したかったのではないだろうか。

改めてこの戦争の経緯を辿って分かるのは、この戦争に対するロシア側の要求はウクライナのNATO加盟を認めないこと、ドンバス地方住民への攻撃をやめることだけだだった。これだけのことのためにすでに双方で何十万人もの命が失われている。もしこのまま戦争が続けばいずれ人類が滅亡しかねない核戦争に発展する可能性も公言されている。私はこのような無益な戦争に日本が協力することは日本にとっても世界にとっても害を及ぼすことになると思っている。

などと言いながらもなぜ私がこんな記事を書いているのか頭をかしげている。本来このような情報発信は国際平和機関である国連の仕事なのではないか。もし本当に国連が公平な立場で戦争終結を望むのであれば、このような情報開示は国連が率先して世界に向けて発信されるべきではないかと考えている。それにしても平和解決のためには、ますます各国とも対話が必要になってくるはずの国家元首を国際指名手配するというのはあまりにも常軌を逸している。少なくともあの判決は正当な証拠によって下されたものであることを信じたい。

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Posted by makotoazuma