2022年 尖った翼
尖った翼よ燃え尽きるまで飛べ
一面の銀世界
静寂で混じりけのないその世界には何者をも寄せ付けない厳しさがある
その白き世界は純粋で震えて身を寄せ合うもののことなど意に介すことはない
そんなことは血の通うものにとって、何億年もの間、繰り返されてきた常識だ
こんなことさえ窓の外を飛びまわるカラスたちは忘れてしまったようだ
かわいそうだが、お前たちを襲う飢えや渇きは休むことを知らないのだ
彼らの空腹は羽ばたくことで忘れるしかない 何度でも 何度でも
彼らの持つ真っ黒な翼は、あてのない彼らの未来に向けて尖っている
彼らにとっては羽ばたくことが最後に残された彼らの希望のようだ
だから彼らは何度でも 何度でも 羽ばたくことをやめない
そして彼らの翼はその度に何度でも 何度でも 彼らを
希望の世界へと誘って行く だから尖った翼よ燃え尽きるまで飛べ!