２０１８年 オリオン １８
不思議なことに、前回の作品に引き続きあるモチーフを潜ませてあることに気づきました。なんか他人事のようですが、私にとって無意識から来ることは、他人事のようにしか思えません。
現在制作中になっている「私の名は欲の皮に付いている」などは、いまだに行きつく先が見えません。このようなスタンスで絵を描いています。
今回気づいたのは、地面に描かれた白い道に、荷車と旅人が描かれている処です。自分では玄奘三蔵を表していたつもりです。実は、オリオン１７には上部中央に天蓋の下に座禅を組んだ人影が描かれています。ここからこのシリーズが仏法への憧れを表現していることを感じることが出来ます。
そして、今回も登場した空洞の人体。そこには、宇宙を思わせる天体がしっかり描かれています。そして、このオリオン１８では、頭部にあたる部分が、とうとう仮面のごとく皮一枚であることが強調されています。つまり、頭脳にあたるべきところがありません。つまり思考不要の世界です。私の名は欲の皮に付いているから辿ると何かしらの繋がりを感じることが出来るのですが、今更、作者が振り返って面白っがっているように、制作中は、モチーフになるべく解釈を加えないように、無心で取り組んでいます。東誠公募展出品作品