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独立自尊 奥の細道

2024年7月18日gallery,ようこそ,絵本墨絵 俳句

文月や六日も常の夜に似ず

文月と言えば旧暦の7月、そして7月と言えば全国的に7月7日の七夕まつりが、頭に浮かびます。この句には6日とあるのでお祭りの前夜の気分を詠んだ句だと思います。

とはいえ初老を超えた芭蕉が、この日を迎えて、なにやらそわそわしている様子、まるで遠足を翌日に控えた子供ようです。では大人が祭りの前日から舞い上がるほど江戸時代の七夕祭りは盛んだったのでしょうか、浮世絵を見ると、やはりけっこうメジャーで気合を入れて準備しているようです。

浮世絵を見ると江戸中で笹の飾りが飾られているようです。また右側の絵は大人の遊戯施設のようですが、こちらも飾りつけに余念がないようです。さて最初の絵は子供が七夕飾りを創っている様子ですが、そこには願いを天に届けるという思いがあります。成長の早い笹に思いを託して、書道などの習い事や豊穣を意味する飾りを紙で作って笹に括りつけます。もともと織姫は機織りの名手ですが逢瀬に夢中になり、機織りがおろそかになったことから天帝の怒りをかいます、なので短冊に書くのは技能に専念することを誓う意味もあるようです。

ちなみに七夕は天帝によって引き裂かれた織姫と彦星の願いが1年に1度叶って逢瀬を許されるという大人にとっても大きな意味を持つお祭りです。ということで七夕は子供だけのお祭りではないようで、浮世絵を見ると、むしろ大人の方が張り切っているようにも見えます。ところで、六日の曾良の日記には、「幸と帰る」と書かれていますが「幸って誰、誰とどこに帰ったの?」謎の文章です。