今日は好日Vol.2
2023年 5月10日 知らぬが仏
世の中知らない方が心穏やかに過ごせることがある、自分の死期などもそうかもしれない。とはいえそれが大きな後悔になることも否定できない。こうなることがわかっていれば、対処の仕方もあただろうにという思いだ。
いまから、15年前に起こった金融危機もあの状況がわかっていれば、被害を防ぐ事もできただろうにという思いになる。ところが現状を見れば果たしてその教訓は生かされているのだろうかという思いがよぎる。あの当時もすでに金融の中心地では市場への警戒感が相当高まっていたらしい、ただその情報は一般人にはほとんど届いていなかった。
そして現在はネットの環境も進み、誰もがあらゆる情報を簡単に手に入れることが出来る。このような環境であれば、よもや世の中にあれほどの混乱は起こらないのではと感じてしまう。とは言いながらも同じようなことが繰り返されるのではないかという不安がよぎる。実際金融機関が破綻しているこの危機に対しアメリカの対応は早かった。おかげで巷からは金融危機という言葉は聞かれなくなった。しかも日本でもアメリカでも株価は以前高い水準を維持しているのだ。ところで金融機関の破綻という最悪の事態にもかかわらず市場が落ち着いたのはアメリカが破綻銀行の預金者を100%保護するとを宣言したためだ。とうぜんその保護にはアメリカの歳費が使われるはずだが、その歳費について今回アメリカの債務上限問題によりその信頼が揺らいでいる。そもそもこの原因が他国への無理な軍事支援にあるとなればアメリカの世論も動かないはずがない。
さらにこの解決が簡単ではないと思えるのは、これまでアメリカの債務上限問題はほとんどの場合その上限を増やすことで政治的解決が図られてきた。ところが、来年に大統領選を控えるこのタイミングで共和党はその主力候補の名誉をはなはだ傷つけられている、このままではこれまで通りの平和的解決とはいかない可能性もある。となればEUの金融不安はEUで解決しなければならなくなるのではないだろうか。
このような経済の状態で戦争の継続を煽ることは日本にとってもEUにとっても良い結果にはならないのではないだろうか、むしろ戦争の緊張が少しでも緩和されるように配慮するべきで、その配慮のためにも戦争の主な要因であるNATOという巨大な軍事同盟はその脅威を自重するべきだろう。軍事力の保有すら認められていない日本国にそのような軍事同盟の機関が存在することはありえないのである。
この議論は法治国家としての日本が憲法によって軍事力の保有を認めた先にある。