G-BN130W2PGN

お問い合わせ先

mail@makotoazuma.com

 

今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 5月17日 平和のバランサー

トルコの行っていた行動は一貫して、平和の維持と人の命に対する慈愛に満ちていた。とはいえこの行動はNATOの足並みを乱すものととらえられていて西側からすればトルコの存在はかなり煙たい存在だった、というのもトルコの現大統領は早くからロシアとの停戦を仲介しようと奔走されていたのだが、その意が汲まれることはなかった。その結果今日まで、どれほどの尊い命が犠牲になってしまったかと思うと悲しい限りだ。このような状況において、私は地政学的条件も考えると、やはりその任を果たせるのは日本をおいてほかないだろうと思っているのだが、世界の首脳はどのような結論を見出すのか民主主義のルールに従って見守るしかない。

そうは言いながらもトルコの影響力は中東やアフリカとの関係を西側と結ぶ重要な立場にあることは間違いない、今回のトルコにおける大統領選がこのような関係性に及ぼす影響は計り知れないのだ。ところが現大統領優勢の見通しはリラ安となって市場に反映されている、つまり現大統領の優勢は市場にとって好ましくない状況と市場は捉えられているようだ。しかしながらこのことを切っ掛けにこのままリラが信用を失い続けることなればその影響はどうなるのだろうか、ウクライナ戦争以前はドル建ての経済がすべてだったが、この戦争で見えてきたのが新たな経済圏の勃興である。

その証拠に以前から経済破綻が騒がれている国でありながら、経済活動が滞るどころかその発言権はますます強くなり、西側主要国がこの経済圏に積極的にすり寄りだして見えるのは私の気のせいではないだろう。ではこのまま世界に2つの経済圏が誕生してしまった場合、その未来を想像してみるとどうなるのか。

先ほど話題にしたトルコにおいて、このままリラ安が進めばトルコの対外債務はデフォルトの可能性が高まってゆく。ところが以前通りドル1強の世界であれば、その時の選択肢はIMFの傘下に納まることしかなかったが、別の経済圏があるならそこで経済活動を再開しようと考えても不思議ではない。最悪そうなったとしてもトルコが失うものは西側経済との信用だけなのではないだろうか。代わりに債務不履行になった負債は西側経済にすっかり残される。ただでさえドルの信用が揺らいでいる状況でこのような事態が起これば、ドルの信用をますます失わせることになるのではないだろうか。この状況に対抗するだけの付加価値を西側は持っているのだろうか。

そればかりではない今朝の経済番組では来年迎えるインドの選挙について、これまで西側と有効な関係にあった現大統領に暗雲が立ち込めているというのだ。どうやら西側との友好関係にインド国民は不満らしい。確かに主要国の1つであり世界のGDP3位である日本にしても、これほど貧富の格差が広がっている現状を知れば、西側経済は国民すべてに豊かさがもたらされる経済ではないと映っても仕方がない。

さらに懸念されるのは現在、西側が進める政策は、信仰心の篤いアジアや中東諸国にとって宗教というものを全く軽んじる政策に映っているのではないだろうか。私は仏教徒なので性の表現に対しては全く問題にしていない、ところが、宗教によっては性の表現は厳しく戒律で決められていて、そこに照らして暮らすことが最大の幸せだと考える人たちも多く存在している。このことに対し今国会で議論されている法律は、この人たちの信教の自由と対立する因子を含んでいる。結論を言えば憲法で保障される信教の自由を国の法律で規制しようとする愚策である。私は国民の生命を脅かす思想ではない限り信仰の自由は尊重されるべきものだと思っている。重ねて言えば公序良俗に反しない限りは信仰の自由は侵してはならない基本的人権であり自然権ではないだろうか。

話がかなり広がってしまったが、この戦争が抱える問題は単に戦争の勝敗がすべてだとは思っていない、私はこの結果が人類の未来に途方もない禍根を残すことになるだろうとさえ思っているのだ。そしてこの問題の本質を知ろうとするならば、世界のリーダーであるアメリカの現状を見ると理解しやすいのではないだろうか、私の懸念は、アメリカで大炎上中であるCNN討論会での前アメリカ大統領の発言が物語っている。