今日は好日Vol.2
2023年 5月31日 朝の公園
久しぶりに散歩のに出かけてみると函館公園の様子はすっかり変わっていた。桜が覆っていた藤棚もやっと出番が来たようだ。特に若葉が色づくこのころは、緑がさわやかでまぶしい。
いつものように藤棚を過ぎると、2棟の旧博物館がひっそりと佇んでいる。
今日も、そのまま通り過ぎようとしたら不思議なものに出くわした。なんと、博物館を指し示す案内板の上に縄文土器のレプリカが備え付けてあった。これは岡本太郎が縄文土器から受けたインパクトのように、私の日常という整然として退屈な時間の流れに、鮮やかな一石を投じるものだった。なんと無茶をするものだと思いながらも作者の感性に頬が緩んで仕方がない。
帰り道、私はいつもの様に公園にあるひょうたん池に差し掛かったところ、今日は湿気のせいだろうか、あたりの景色が不思議な空気で満ちていた。この写真はいつも鯉の写真を撮るひょうたん池なのだが今日は、濃い緑に覆われて静まり返った森のように感じて、その神秘的な様子に私は我を忘れ、しばらく池の前に佇んでいた。どこかで見た景色だと思っていたが、先日観た山本二三のシシ神の森が頭に浮かんできた。早速その様子を写真に収めようとしたところ、どんより沈んだ闇の中にいきなり朝日が差し込んできて、偶然とはいえ私は、その神々しさに息をのむ思いがした。
湿気で景色の彩度が上がるこの季節は、いつもと変わらない景色であっても、いつの間にか異界に迷い込んでしまった感覚に陥る、この感覚を私は勝手にジブリ日和と呼ぶことにした。