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今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 6月30日 みんなのポピュリズム

多くの人に人気があることをポピュラーというそうだ。とはいえポピュラーにはもう一つの意味として大衆という意味もある。だからポピュラーソングは大衆音楽とも言われる。問題はこの大衆という言葉には何かしら人を見下すニュアンスを感じることだ。というのも昔ある国の代表は大衆心理を自分たちに都合よく政治をするための道具として積極的に利用してきた歴史がある。

やり方はいたって簡単で同じ情報をただひたすら垂れ流すだけだ。たったこれだけで国民は物事の道理よりも情報量のより多く提供される方を無意識に選択してしまう、この手法がプロパガンダというもので、これを使った政治に人類はあれほどの痛手を負っていながら、この手法にはあがなうことが出来ないらしい。このように情報を提供する報道機関は1国の政治をも左右しかねない力を持つ。マスメディアの力とはそれほど大きな力を持っているのだ。

ところでなぜ私が今日この話題を取り上げたかというと、アメリカの大統領候補に対してのある批判めいた記事を見かけたからだ。内容についてはあまり具体性を感じなかったので触れないことにする。とはいえこの記事では、なにやらトランプ氏の政策は大衆迎合だと批判しているようだ、特に問題視しているのが不法移民対策についてだ。以前トランプ氏が大統領だった頃、メキシコとの国境に高い塀をめぐらしていた。ところが現在政権が変わり、これを排除してしまったアメリカでは再び不法移民による治安の悪化がおこっているらしいのだ。おそらく日本の筆者はこのことを問題視しているように感じる。ではなぜこれがポピュリズム、あるいは衆愚政治だと言わんばかりの批判に繋がるのかがこの記事からは読み取れないのである。そもそも政治の務めとは、それを支持する国民の安全を守ることなのはないのだろうか、また何をもって政治を行わなければならないのかといえば民主主義国家では民意以外に他ない。さらに蛇足になるが様々ある民意の優先度は何によって決められるのかといえばこれも多数決以外に無いのである。

とはいえ、その選択が正しいかどうかは歴史が決めることだ、ところがこの記事から伝わるのは、トランプ支持者には下層階級の支持者が多く、彼らにまともな政治判断が出来るはずはない、このような愚民に迎合する政治は国の危機を招くのだと言いたげである。

このような傾向の記事が公に流される中、世界の情勢は大きく変わろうとしている。例えば今月23日にあったドイツの世論調査ではAFD党がドイツ政党の中で人気第一位となった。この政党はマスコミにおいては極右政党と紹介されているが、これはまさかNSD何とかの再来かと思えば、この政党が主張するのはユーロから自国通貨への移行とこれまでの移民政策への反対、合わせて男女共同参画やクオーター制などへの反対を言っている。また軍事的にはどうかといえばここはNATOへの参加を容認しているようだ。さらに興味深いのはスイスの流れを受け直接選挙を増やす提言をしていることだ。因みに先日来日されたドイツ代表の属する政党は、今回かなり人気を失ってしまったようだ。残念ながら私はこれが今回日本で行われたサミットに対するドイツ国民の評価ではないかとも思っている。