今日は好日Vol.2
2023年 7月23日 人間国宝
落語界で4人目の人間国宝が誕生した。柳谷小さん、桂米朝、柳家小三治、に続いて五街道雲助氏の人間国宝ということで落語界にはうれしいニュースとなっただろう。ちなみに私は落語に、とても親近感を覚えている。なぜかといえば落語は、数ある日本の伝統芸能のなかでは、最も庶民との垣根の低い伝統芸能と思えるからだ。そのことは伝統芸能の先行きが不安視される現代においても、様々なメディアを通して、庶民にしっかり受け入れられている、とくに長寿番組笑点の人気は頼もしささえ感じている。
さて受賞された五街道雲助氏については落語研究会などのコアな落語ファンには馴染の噺家だが、笑点など中心の落語ファンの方には馴染みの少ない噺家かもしれない。残念ながらこのブログでも、五街道雲助氏の登場は初めてになる。いずれの機会にと思っていたが、私もブログで落語の批評をするつもりもなく、自分の思いをただ綴っていただけなので機会を失ってしまっていた。
とわいえこの快挙は、年代の近い噺家さんに三遊亭小遊三、柳家権太楼などの名人がおられ、その中での人間国宝選出となれば大変名誉なことに違いない。
とりわけ五街道雲助氏のお弟子さんに私は、噺家として高い実力を感じている。兎月庵白酒、隅田川馬石、蜃気楼龍玉どなたも不思議な名前のお弟子さんばかりだが、この不思議な名前が五街道雲助一門の特徴らしい。
さてこのような関東での華々しいニュースは、きっと上方の噺家にも大きな刺激となっているに違いない。こうなるときっと上方でも人間国宝の噺家が切望されているところだろう、とはいえ今でも人気が衰えることを知らない桂米朝の後任となれば、どれほどのプレッシャーがのし掛かってくるのか、私には想像することすらできない。