今日は好日Vol.2
2023年 8月4日 借金は悪なのか
個人的に借金など誰も負いたいとは思わないだろう、とはいえ世の中に新たな価値を生み出そうとすれば必ずそれは必要になる。では価値があるかどうかわからないものに対して、どのように資金を供給するのかそれが融資という銀行の役目ではなかっただろうか、つまり価値が確定していない物に銀行がお金を貸すことで信用が生まれるのだ。言い直せば資金需要とは新たな価値の創造ともいえる。もちろん収入が支払い分に追いつかない場合も資金需要は生まれるが、そのやり取りが成立するのも銀行が収入がいずれ支払いを上回ると判断すればのことだ。
ところが最近世界中で資金の需要と供給に歪が出来てきている。特にSDGs関連のスタートアップ企業と呼ばれる企業からの積極的な資金需要が起っていないようだ。このような状況で日本の短期金利は現在の長期金利上昇に比べマイナス金利になっている。むしろ政府はこの状況に注意を向けるべきと思うが、そもそもこのような状況ではまともな経済とは言えないに違いない、これではインフレ誘導と言いながら資金需要を個人の需要に頼っていては長期的な経済成長は望めないだろう。
このことから政府が積極的な資金需要を喚起するとすれば、それは政府が積極的な公共投資を行っていくしかないだろう。例えば今現在集中豪雨による河川の氾濫などの護岸工事など防災面での投資やエネルギー高騰を防ぐためのエネルギーインフラの整備など、今だからこそ積極的な整備が急がれるものがある。もし日本国内に正常なインフレを起こそうとするなら、海外投資に資金を振り向けるより、国内の景気循環を優先すべきではないだろうか、海外で記念写真を撮っている場合ではないのだ。
もし政府が日本国内の景気を真っ先に考えるのであれば、政府は日本国民にとって将来の方向性をはっきり示す必要がある。そのことによって個人も新しい価値創造のために積極的な借金が出来るのではないだろうか。