今日は好日Vol.2
2023年 9月5日 納得の解説
これまで朝の経済番組では、円安の原因については金利差によるとの解説がほとんどだった。それを聞くたびに私は、ハラワタが煮えくり返る思いがしていた。ところがそんな番組での今日の解説は違っていた。内容の前に、なぜ私がハラワタが煮えくり返るのか、それはこのような報道が金利上昇への圧力になるからだ。
そしてそのことにより日銀が金利上昇やむなしと判断すれば、経済の回復以前に国民生活は地獄を見ることになる。それというのもイールドカーブコントロールの上限に変化が見られるたびに、大手銀行の固定金利住宅ローンは2度も金利が上昇してしまった。先日番組では短期金利まで見直す必要があるとまで言っていた。つまり番組では現在日本経済は好景気で過熱気味だという論調なのだ。
では実際日本経済はそれほど好景気なのかといえば、バブルを経験したものからすれば、どこが好景気だと唖然としてしまう。確かに物価や雇用統計の数字を視れば好景気を示しているのかもしれないが、その実態はといえばおそらく腐ったピーマンのようなものだろう。
そんな番組で今日の特集は円安と需給の関係というテーマについて解説されていた。いつもの様にTVのスイッチを入れた途端、その特集が始まったので残念ながら解説者の名前は聞き取れなかったのだが、私はその解説にとても共感を覚えている。
解説では為替の変動要因は貿易収支が多くの要因になるということだ。つまり昨年は多くの貿易赤字が出ていている中で円安に振れていたことからその相関関係は成立していたと言える。ところが今は貿易収支は赤字から黒字へ徐々に転換しだしているのだ。それにもかかわらず円安がいよいよ進んでいる状況を考えれば、円安はそのほかの要因にも大きな影響を受けているのではないかという分析である。
その要因の一つとして考えられるのが内外との給与格差で、もう一つ注目されているのがサービス格差なのだそうだ。このサービス格差についてはさらに2つの要因があり、1つは投資などで得られるインセンティブが円に還元されないこと、もう一つは現在のサービス業の収益の内ほとんどが海外のコンサル企業で締められていることだそうだ。例えば日本のGDPの7割がサービス業で締められているのだが、実はその稼ぎのほとんどを外国のコンサル会社が得ているのだとしたらどうだろう。
話をお金の流れによって整理すると円の海外投資はたとえ海外で利益を得たとしても日本には戻ってこない。もう一つは日本のGDPは外国企業が支えているという事実だ。極端ではあるが、だいたいこのような解説内容になると思う。確かに日本は500兆円を超えるGDPでありながら、今や個人所得は後進国並みという事実もここから容易に想像がつく。
もし解説の通り日本の経済が、このような状況であったとすれば、確かに金利を上げれば海外からの資金は流入しやすくなるだろうが、それによって日本国民は何を得ることが出来るのか、考えれば見えてくるところだが、そんなことは考えるだけでも気分が滅入る。