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今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 9月12日 なほ、あわれに

今朝ドナルドキーン氏という日本文学者の記事を見つけた。タイトルは「ドナルド・キーンが描いた日本」というものだった。私がこの記事で共感したのは吉田兼好の記した徒然草の引用だった。そこには物のあわれについて記された第137段の文章が載せられていた。

(以下は記事からの引用)

「花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ、見るものかは。雨に対ひて月を恋ひ、垂れこめて春の行衛(ゆくえ)知らぬも、なほ、あはれに情深し」

私はこの文章の最後の文に釘付けになった、それは「なほ、あわれに情深し」と言う文だ。呆れられるかもしれないが、私はまともに徒然草すら読んだことがない。そんな私が、以前本居宣長のTV番組からもののあわれの捉え方について「抗いがたい厳然たる事実」という解釈をしてしまったのだが、表現としてはやはり殺伐としている。ここにはやはり情という言葉がしっくりくるようだ。それに引き換えさすが鎌倉末期の天才は詩的でありながら核心をついているとつくづく感心してしまったのだ。

などといいながらも、このことに私が気づくためにはニューヨーク生まれの日本文学者の助けを借りねばならなかったのだ、改めてインターネットの普及に感謝したい。