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今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 10月2日 これで世界に平和が訪れるのか

昨日ウクライナ支援を停止することで、アメリカ政府のつなぎ予算修正案が下院を通過したそうだ。このことでアメリカ国内の混乱はひとまず回避された模様だ。日本ではなかなか考えられないことだが、この予算が通らなければ実際に政府の機関は完全に停止してしまう。当然警察、消防であっても例外ではない、以前実際に予算が通らず警察が活動できなという事態があったのだから穏やかではない。

この予算は11月中旬までの予算なのでその先のことはまだ決まってはいないようだが、今後もウクライナ支援が争点になってくるのは間違いない。ということは、このままロシアが過激な行動を起こさない限りアメリカの世論が傾くことは無いのではないだろうか。こうなるとウクライナへの支援はすべてEU諸国が担うことになるのだろうが、現在のヨーッパでもこの戦争支援継続に対し足並みがそろっていない、というよりヨーロッパ全体で、すでに腰が引けている状況なのではないだろうか。

現在この影響を強く受けているのが近隣の農業国で、何故かといえば黒海を通って世界中に運ばれるはずのウクライナ産小麦がロシアによる海上封鎖のために、その小麦が陸路を通ってウクライナに接する近隣国に押し寄せているからだ。今のところウクライナはEUの加盟国ですらないので、小麦の価格は極端に低いままどんどん流入してくる状態で、このことをEUは早くからウクライナ産穀物に対する禁輸措置を支援してきたのだが、先ごろこの措置が期限切れとなったために、近隣国に格安の小麦が押し寄せてきたのである。このままでは近隣国の農業は壊滅的な打撃を受けてしまうことになる。

このような事態を受けて昨日ポーランドでは100万人を超えるデモが起こっていたそうだ。というのもポーランド政府にとっては近く行われる国政選挙への影響を考えると、この時期、政府の有力な支持母体である農業従事者の票を失うわけにはいかない。つまり、このことをポーランド政府は黙って見過ごすわけにはいかないのである。それにもまして、EUやNATOにとってもこのことは西側の連携を揺るがすことになるはずで、もしこのままEU、NATOUが求心力を失ってしまえば西側にとってブリックスや上海協力機構に対抗することはもはや不可能となってしまうからだ。

それではこの問題解決において最も効果的な方法とは何だろうか、それはロシアによる黒海の海上封鎖をやめさせることで、ようするに今年6月に期限切れを迎えた海上封鎖解除の条件を西側が履行することに他ならない。つまり、解除の条件であるSWIFTからの排除や海運保険料の見直しがそれである。それに比べ軍事行動による解決はどれほど困難でコストがかかるのだろうか、考えるまでもないことのように思える。しかもこの経済制裁は、1年以上にもなるにもかかわらず、充分な効果が出ているのかといえば、そうとも言えない状況だ。むしろこの制裁が今後も続くとすれば、その副作用は西側経済圏に必ず及んでくる。つまりロシアのドル離れは加速し、その流れに沿ってブリックス経済はこれからも進展していくようになるからだ。

今回のニュースは、ウクライナ支援一辺倒だった世論がアメリカでも変わりつつあるという証拠になる。そのため日本の未来を考えれば、日本政府の認識も同じ認識であることを願っている、バスに乗り遅れるなとはこのことではないだろうか。