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今日は好日Vol.2

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2023年 10月6日 何が真実か

さきほど「制裁解除について日本と対話する用意がある」プーチン大統領 ソチで開かれた国際会議で発言という見出しにつられてテレ朝NEWSの記事を読んだ。

これはやはり渦中の鈴木宗男議員による影響かと思ったが、報道では5日に行われたバルダイ会議で日本から参加した笹川平和財団畔蒜泰助氏への大統領の回答だ。議員もこの情報を知った上でのロシア訪問だったのかもしれない。

さてウクライナ戦争に対するロシア側の主張によると、特別軍事作戦とは2014年のドンバス紛争に原因があるとのことだ。これによると、2014年当時マイダン革命が起きて親ロシア派だったウクライナ政権はクーデダーにより倒された。同時にこれを契機としてウクライナの親ロシア派が多く居住するドンバス地方ではドネツク州を筆頭に各州から親ロシア派による独立国の宣言が相次いだ。ところが周辺国から独立の承認はされないまま、西側よりになったウクライナ軍と内戦状態になってしまったのだ。すぐにこの停戦合意がクリミアで話し合われたが、停戦が守られなかったため、ミンスク2として改めて国連、ドイツ、フランス、ロシアが間に入り停戦の合意が結ばれたのだ。

ところが、ロシア側によるとあれから8年も経つにもかかわらず、停戦の条件は当事からすでに守られていなかったという、それどころかウクライナはクリミア2での合意条件にあるNATOへの不参加を反故にしようとしていたのだ。このことについて侵攻の何か月も前からアメリカ大統領に対しロシアはウクライナのNATO加盟を押しとどめるよう勧告している。ということはロシアがいきなりウクライナに侵攻してきたと言う認識は間違いなのである。

さらに報道ではロシアには領土的野心はないとも付け加えられている。このことを証明しているのがウクライナ侵攻の戦線の状況だ。というのも昨年2月に侵攻があった戦線の状況と現在の戦線の位置を重ねてみればほぼ変わりがないことが分かる。このような状況をみてもロシアは領土的野心からウクライナ領土に侵攻したとは言い難い、もしロシアがウクライナに領土的野心をもって侵攻していたとすれば、ウクライナはいまごろ地図から消えていた可能性がある。

これに関連してさらに不思議に思えるのは、ロシアはいまだ制空権を維持し、あれだけの戦略爆撃機を保有しているにもかかわらず、ウクライナの工業地帯や首都に対してどれほどの空爆を加えてきただろうか、そればかりかウクライナは現在いつ終わるとも知れない戦争の当事国であるにもかかわらず、盛んに海外資本の誘致を行っている。こんなことは過去に苛烈な空爆の経験を持つ日本人からしてみればありえないのである。

さてこのような状況の中、プーチン大統領から先のような回答が日本に向けて述べられた。残念ながら記事には日本の質問がどのようなものか書かれていないが、ようするに日本が停戦や国交回復をロシアに訴えるのであれば日本がイニシアティブをとるべきだと言っている。というのは先に対話の窓を閉ざしたのは日本であって、対話が必要なのであれば制裁を解除してからだと言っているのだ。確かにロシアへの経済制裁の経緯をみればロシアの発言は否定できない。これについて日本側は武力侵攻への報復だと反論するかもしれないが、経済制裁と言えども国民の生命財産を危機に落とし入れていることに違いがない。

突き詰めると日本はこのような経済制裁によって太平洋戦争に引きずり込まれたのではないか、という話にもつながるのでこの言葉は意味が深い。

例えば食料のほとんどを輸入に依存する国に対し相手国が食料輸出を止めたらどうだろうか、日本でもこのことを兵糧攻めと言って立派な戦争行為としているではないか。残念ながら現在もっともこの危機に脆弱なのは日本なのだが、その脆弱な状況も顧みず日本がロシアに対し行っているのが個人も含めた金融資産の凍結なのである。となればロシア側としては対話の前にまず、私の足を踏んでいる貴方の足を除けてくれと言うのも、もっともなことではないのだろうか。

とはいえこの対話がなされなかった場合の世界は、いまよりさらに絶望な状況になる。プーチン大統領は答弁の中で、すかさず新型核兵器のアピールも行っているからだ。なんでも原子力推進で射程数千キロの新型核兵器の実験に成功したそうだが、いったいこの兵器はどこを狙った兵器なのか、おそらくロシアから数千キロ離れた国へのアピールに違いない。つまり日本の周辺国に向けて、この対話を邪魔するなと牽制しているのかもしれない。日本人の望みはこのような兵器が飛び交うことの絶対に無いようにすることのはずだ。

その為に周辺国が取れることはウクライナのNATO加盟は認めないという確約をさせることで、これまでこれ以外の要求がロシア側からあっただろうか。少なくともプーチン大統領の声明で領土に対する要求は聞いたことがない、むしろいずれもロシア側の軍事的、経済的な安全性確保のための要求ではないのか。

とはいえこの記事にあったコメント欄を覗くと、こんなことを個人が発信することすらリスクになるようだ。なんとこの記事のコメンテーターも含め9割以上をしめる読者の意見がロシアに対し懐疑的で、中には無断渡航の鈴木議員などは英雄どころか国賊呼ばわりなのだ。これではうっかり国を憂うなどと軽々しく口にすることもできない。

とはいえ日本の歴史を振り返れば、国難にあっては必ずこのような自分を顧みない志士たちが現れてくる。我々はそのような真実の日本を取り戻さなければならない。