今日は好日Vol.2
2023年 10月10日 沈黙の艦隊あり得る?
1988年講談社のモーニングという大人向けの漫画雑誌に、かわぐちかいじ氏による「沈黙の艦隊」という連載漫画が始まった。このころの世界情勢は東西冷戦からソビエト崩壊に向かう過渡期にあり、またこの間経済における日米関係ではバブルの絶頂期からバブル崩壊へと続き、それまでの日米関係に対立する関係が生まれてきた時代にあたる。
さてこの人気漫画は3200万部という空前の大ヒットとなる。早速連載終了後に合わせアニメ映画になった。これ以降小説の世界でもSF戦記物というジャンルの書籍が本屋の平台に積まれた。このことであまり表舞台に出ることの無かったミリオタの世界にも市民権が得られたように感じた。そんなアニメ映画が今年実写化されて9月29日公開された。
よくアニメの実写化は難しいと言われるが、実際の潜水艦内で撮影された映像にはアニメでは得られない多くの魅力があった。なかでも水煙を上げながら潜航に入るシーンなど実際の潜水艦ならではの貴重なシーンがある。
それにしても映画の中で独立国だの平和だのという言葉が飛び出してくるたびに、不思議と今現在の世界情勢に対する私の思いと映画の世界が重なってくる。とはいえ私がこのストーリーで危惧するところは、核兵器によって独立国や平和を手にするという発想はいかなる場合も賛同できないし、仮に実行したにせよ何ら成果を残すことは出来ないだろう。
ではどのような方法があり得るのか、私が可能性があると考えるのは国際法の整備によりその実効性を高めることだ。なぜならこれまでの基準となる国連憲章ではその内容があまりにも理想的で実態との乖離が大きいことが、国連憲章の実効性を阻害していると考えるからだ。また常任理事国による運営についても阻害の一因になることから見直さなければならない。私はこのような国際法の実効性を高めていくことが、実際の世界平和につながるものと考えている。