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今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 1月6日 赤信号みんなで渡れば怖くない

この言葉にはとても説得力がある、ところがこの言葉を受け入れないのも日本人の性と言える。海外の人から見れば周りに車の気配が全くないところでも赤信号で足を止めている日本人は奇異な存在に見えるに違いない。 なぜ日本人がそのような行動に及ぶのかといえば、法令順守が日本人にとっての正義と思うからだ。ところで昨晩防衛大綱にまつわるTV番組を動画配信で見つけた。この件については、何度もブログで取り上げたことなので、参考にさせてもらおうと思い視聴させてもらった。番組から私の思いに間違えに気づけば、すぐさま修正したいと思っていたのだが、結論から言えば私の思いは、むしろ視聴前より強くなっている。 ところで番組には元統合幕僚長含め陸将、海将が参加しておられた。やはり元現場に携わっていた方の意見は、一般人が感じる世界情勢のとらえ方とはかなり緊迫感が違っていた。番組では現在自衛隊が抱える問題点についても詳しく述べられていた、中でも自衛隊員の待遇に関しては、規律も含めて整備を急ぐ必要性を訴えられていた。 ところで、この番組を通してますます強まった私の思いとは、改憲の必要性と反撃能力に対する懐疑的思いの2点だ。 不思議なことに番組では改憲についての提言はほとんど見られなかった、私の勝手な思いだが、そこで躓くよりは防衛予算の可決を優先させたいようにも感じられたくらいなのだが、私はこの解決が問題の最優先課題だと思っている。 これは自衛隊員の社会的認知という存在意義にもかかわる重要な問題であり、国民が真摯に防衛について考えるための土台でもある。ちなみに番組では反撃能力はすでに憲法解釈によって認められているとの説明をされていたが、そのことを認識している国民はほぼ0に近い、つまり現憲法のままでは、いつまでたっても武力の保持や武力による威嚇、またその行使については憲法に反する行為なのである。このことは学校教育をしっかり学んで社会に出てくる方の当然の認識といえる。つまり裁判所や政府の意見は伝わらないのである。 このことを疎かに出来ないのは、組織の将来を支える入隊者の減少にも影響を及ぼしている。表題にした赤信号では周りの状況に関わらず止まろうとする日本人の行動は、海外ではジョークともとられかねない日本人の遵法精神を表している。とは言えこのような日本人の行動は、法治国家の理想として尊重していくべきものではないのだろうか。そう考えると、このような状況に対し護憲を叫んでいた人たちの穏やかな様子に違和感を覚える。いったい憲法を守れと言っている人たちは、憲法の条文が全く機能を失っていくことに何の抵抗も示さないのだろうか、また目の前で起っている、リアルな戦争をどのように考えているのか聞いてみたいものだ。 さて、私が最も危惧するところは国家安全保障戦略の6項(2)防衛体制の強化についてだ。ここではスタンドオフ防衛能力と赤字で反撃能力の保有と明記されている。分かりやすい言葉にするとアウトレンジ戦法と先制攻撃能力と解釈できる。ところが、この両方の戦術は太平洋戦争において帝国海軍のとった最も危険な行為といえる。 例えば、先制攻撃について云えば、パールハーバーを招き今日まで日本軍の恥ずべき行為として、世界中で語り継がれている、またアウトレンジ戦法は、大艦巨砲主義のまさに戦艦大和が目指した戦術である。このような敵の射程外から攻撃するという戦術によって計画されたのが、パールハーバー、ミッドウエー・マリアナ沖海戦である。いずれの作戦も無反省の結果が招いた日本の悲劇で終わっている。 では現状でのアウトレンジ攻撃は可能かといえば、現代においてもまったく実効性に欠ける戦術に思われる。番組の説明では相手国からのミサイル攻撃を察知して発射する前に粉砕するそうだが、どのようにしたら、その攻撃が日本に対する攻撃だと判断できるのだろうか、仮に探知が成功した場合でも巡航ミサイルが到達する前には相手国のミサイルは日本に着弾しているはずなのだ。また攻撃は最大の防御とも言われるがこれも場合によりけりで、守りを固めた相手に対して攻撃する場合は5倍以上の戦力が必要になる。こんなことを素人が言い出すのは全く赤面の至りだが、本来はプロが素人である視聴者へ伝えるものなのだ。 さらに、この反撃能力は抑止力として保有するらしいのだが、このことについてもやはり、素人が考えただけでも理解しずらいところがあるのだ。むしろこの論理で兵器を積み上げることは、相手国と同等の戦力を保有することになり、果てしない軍拡競争に繋がるのではないだろうか。だとすれば、増税セットでの防衛力整備となると納税者としては必要最小限の装備でお願いしたくなる。 それでは、このような軍拡スパイラルに嵌まらないための防衛装備を考えると、まずは防衛力の及ぶ範囲を限定すること、つまり自国の領海、領空、領土、シーレーン防衛を最優先にした装備を整えるべきではないだろうか、このためには国際連合のような実効性の薄い軍事同盟は脱退すべきと考える、これで2000億円の歳出削減になるのだ。 ちなみに超音速のミサイル兵器に対し最も期待の持てるレーザーやレールガンに対し日本はそれぞれ70億、65億の予算しかつけていない。この技術は電源の確保が可能になれば実用化がすでに見込めるらしいのだ。電源といえば炭素フリーの流れから世界が最も望む技術である。半面、時代遅れのトマホークミサイルには2000億円という巨額の予算がついているのだ。 日露戦争における連合艦隊は日本の領土に最も近いところで、海軍史に残る完全勝利を得た。自制心と命を顧みない勇気の賜物である。