今日は好日Vol.2
2023年 2月28日 少子化対策
現在国会では少子化対策のための支援について議論となっている。この問題については福祉の将来や国の繁栄を左右する重要な問題だ。では対策が議論される前にこの問題の原因についての議論は,し尽くされたのだろうか、私はこの原因については、藤井聡教授の動画が最も共感できる。ざっくりとだが、少子化はそもそも男女同士の結婚が減少していることに原因があるのではないかという説だ。なぜなら既婚者の出生率はむしろ増えているというデータがあるからだ。 また、それとは別に既結婚者の数が減少していることは、わざわざデータを覗くまでもないことだと思われる。番組では、この原因を男女の所得格差にあるのではないか、という問題提起がされている。そこで用いられたデータにはこのことがはっきりと示されていた。それによると、所得が少なければ少ないほど既婚者の数は減少し、低所得者のグループにおける、既婚者数はグループ全体の20%に届かない状態である。つまり所得の差が既婚率を支配していることをこのデータは示している。 さてこの点を踏まえて、政府が示す少子化対策を見てみるとどうだろうか、果たして的を射た政策といえるだろうか、人口が増えれば税収が増えるというのは正論ではあるが、それは人口が増えた分、それに比例して個人所得が増えた場合である。現状の政策では労働人口がたとい2倍になったとしても、個人所得は現状の半分になってしまうのではないだろうか。つまり現状の政策を継続することは、この先人口増加があったとしても、その分は貧困層が増えてしまう結果になるのではないだろうか、つまりこの政策は少子化の先延ばしで根本的な解決としては、疑問である。 私が言いたいのは、お金のバラマキによるセイフティーネットのような政策をいくら推し進めても、おそらく人口増加など見込めないのではないかということだ。人間は生きようとするプライドを捨てない限り、生きる希望を失わないものだ。そのことが生物としての生存本能を呼び覚ますのである。ただ無差別なお金のバラマキをしても、国民のプライドを喚起することにはならない、大切なのは経済発展の指針を政府が具体的に国民に示し、率先してそこへの投資を行うことだ。そのことによって国民は、「これをやれば儲かるというイメージ」を受け取り積極的に企業を検討できるようになる。そのことで融資に活気が戻れば金融機関の必要性も増すのである。政府が望む海外からの投資やインバウンドを当てにしていては、日本人のプライドなど保たれるはずがない。 人口が減っても気にしないという方は、是非過去の思考ラボに載せたネズミの楽園を参考にしてほしい。一度人口減少を迎えたネズミは最後の一匹まで滅び去ってしまうからだ。