今日は好日Vol.2
2023年 4月27日 少子化対策と財源
政治家でもないのに朝からこんなことを考えている。昔は商売を上手くいかせるためにはまず子供の興味を引くことを一番先に考えていた。お客の足を止めるにはこれが最も上策だった。屋台の話をすれば、屋台の花形といえば昔は綿あめ屋で利益も多く、しかも屋台の中では一番格上で屋台のならびの角に店を出していた。
今回久しぶりの屋台を訪れたが、印象的だったのは子供目当てのおもちゃやゲームの屋台が目立たなくなったことだ。そういえばこどもの日を前にしても空に浮かぶ鯉のぼりを見かけることはなくなった。TVのCMも多く見かけるのは補聴器や健康サプリで,これは我が家だけのことではないのかと心配になるほどだ。
そんな中、政府は次元の異なる少子化対策を検討している、ところがその話に入る前に総理が必ず財政へのエクスキューズを入れてくるので国民は、対策の中身よりも、政府は少子化対策をだしにして財政健全化を目論んでいるのではと訝しく思うのだ。
ならばそれほど、財政がひっ迫するなかで給付金の制限がなくなったのは何故なのかと考えてしまう。ただ今回の対策はかなり広範囲に検討されていて実施されれば育児支援が強化されることは間違いない。とはいえこの政策は、子供が出来た後の対策で少子化の対策としてはかなりの遠回りなのではないか、なぜなら少子化の原因として最も大きい要因にそもそもの婚姻率の減少があるからだ。このことについて収入の差による影響が多きことは以前も述べたが、そのための対策が、政府の少子化対策からほとんど見えてこない。婚期を迎えた若い世代がプライドをもって社会参加できる環境があっててこそ、私は少子化という社会現象にストップがかけられると思っている。そのためには海外の投資やインバウンドに頼るような目先の政策ではなく、政府は国民に対し希望の持てる日本の未来を示していくことが大切なのではないだろうか。
この歳出と歳入のバランスをとるために考えられることは、いかに歳出を減らし効果的な政策を展開できるかにかかっている。もし国民の健康とそれを支える安全な食料の確保ができて、雇用の確保も期待できるとような政策があればそれは可能だといえる。では、現在日本の歳出で最も顕著な伸びを見せているのが社会保障費でそのうち保険料給付の伸びが著しい、これは単純に高齢化だけの問題では考えられない、このことについて医院を経営される吉野敏明氏はグルテンによる健康への影響について述べられている。もしこのようなことが事実であったとすれば、今後も医療費は増え続け財政はいずれ崩壊してしまう可能性がある。そうであるならこのことについても政府はしっかりした見識を持つことが国民の健康増進のために必要なことではないだろうか。
このようなことで、国民の健康が保たれ医療費の歳出を減らすことが出来れば、増税に頼らなくとも少子化対策の財源は確保されるのである。とはいえグルテンといえば小麦の消費からコメの消費へ国民の食生活を変えていく必要が出てくるのだが、戦後とはいえ80年近く小麦食文化に依存を強めてきた日本人が、一朝一夕に食生活を変えるにはそれなりの時間を要することだと思う。ところが、この対応は少子化以上に急を要する、現在日本国民の主食でありそれを担うはずのコメ農家が、高齢になっても、世代交代できず結果的に廃業へと追い込まれているためだ。このためコメ農家に対しては政府による緊急の支援が必要になっている、というのも地方の生産地域だけでは次の担い手を探すことも、ままならない状態にあるからだ。
この結果次の担い手が決まらず、どうしても廃業を選択しなければならない農地ができれば政府が一時買い上げ、次の担い手に直接渡していくようなことも検討しなければならないだろう、本来は個人が小さな地域で、代々取り組まれていた農業だが、このような廃業の危機はあと4,5年もしないうちに全国で起こり始める、そこで国が農業をリードして家族経営の小規模農業から、全国的な取り組みが可能な企業として農業を育成する必要が出てくるはずだ、今ではすでに若い人たちが個人で企業を立ち上げ野菜作りに取り組まれているようだが、コメの生産となれば、まだそのハードルは高いままなのではないだろうか、そのためこのような若い生産者と連携してコメ作りを全国的に推進していくためにも、全国から情熱のある農業従事者を募り、それぞれの地域と連携していくことで生産効率の高い農業が可能になり、安定した雇用も生まれるはずだ。
現在日本の抱える重要な問題といえる少子化は地方に行くほど顕著になる、この問題を解決するためには地方の魅力を高めていくしかない。そのためには1次産業の見直しが必要ということなのだが、今までのように地方丸投げの政策では地方の衰退を止めることはできない、ならばこれ以上地方の身売りを許さないためにも政府の積極的な対応が望まれる。少子化も財源もいかに国民が健康で未来に希望をもって暮らしていけるのかということにかかっている、今ある命も祖先が願った未来の希望に他ならないからだ。