今日は好日Vol.2
2023年 5月9日 軍事行為について
先ごろロシア軍によるウクライナ都市への爆撃があったそうだ、ウクライナの被害についてはわからない。このことは先のモスクワへのドローン攻撃への報復と伝えられている。つまり先に攻撃してきたのはウクライナだという前提なのだが、ウクライナはこのことを否定している。このようなやり取りを見ているとかつてボスニアであった紛争を思い出す。
あの時も原因の特定が困難なまま、それまでの静かな暮らしは戦争によって踏みにじられ、多くの命が失われてしまった。
ところで、このような都市攻撃の応酬を現代の我々は軍事行為の一環だと思っている。だがしかしこれが軍事に対する認識のそもそもの間違いなのだ。国際法では武装を持たない相手に対しての攻撃は、戦争行為とは認められておられず、このような行為は虐殺と言われるべきなのである。
ではこのような行為がなぜ抵抗なく世界でも軍事行為と認識されるようになってしまったのか、私はその原因が太平洋戦争の東京裁判にあると思っている。あの結果によって軍事行為と武装を持たないものへの殺戮との仕切りが外され、戦勝国は一切の非道が許されるという人類史上大変な汚点を残してしまった。つまりあの裁判は国際法に照らし合わせて戦争行為を裁いたのではなく、国際法に認められた戦争を行使する権利まで敗戦国から取り上げてしまったのである。この犠牲になった人たちが平和を乱した罪として裁かれ、いまだにA級戦犯の汚名を着せられた人たちなのである。
さて、このような極めて不当な裁判がその後の国際秩序に与えた影響はさらに悲惨なものである。なぜならこの裁判において戦勝国側の核兵器使用や都市攻撃については一切顧みられることはなかった、これにより核攻撃どころか都市に対する空爆も軍事行為として扱われるようになり、その後の核兵器開発や都市攻撃も否定しずらい世論となってしまっている。ところで当時日本軍が上海、重慶に対し行った爆撃についてもこの裁判で裁かれなければならなかったはずだが、果たしてこの罪はこの裁判で裁かれたのだろうか謎が残る。
このような結果から核を戦争の抑止力と考えた場合、民間人への攻撃は非道だという根拠は薄れてしまう。きわめて小規模な核兵器ならいざ知らず戦略的な核兵器では軍人と民間人の区別をすることはできない、であるならこのような非道な武器で国民の命を守ろうというのは天皇を象徴とする国民の望むべきものとはいえない。このような物の使用を避ける可能性が万が一にもあるのであれば、その可能性に向かって国を挙げて取り組むことが、古来より美徳を重んじる日本人の姿ではないだろうか。私はこの可能性として高出力レーザー兵器の開発を急ぐべきだと思っている。この兵器の実用にはあと少しのところまで来ているが、そこに当てられる予算は75億円と、ミサイル配備の予算に比べればプラモデル並みの予算しか充てられていない、それにもかかわらずこの技術は現在の循環型エネルギーを普及させる技術とも強く結びついていてここへの投資はエネルギー問題を解決することにも繋がっているはずだ。
いずれこの技術が実用化されれば現在あるミサイル型の核兵器はほぼ無力化でき、さらに高額の航空機や空母などの兵器さえ用済みになってしまうかもしれない、それほど多くの可能性を秘めている技術だ。またさきごろ、自衛隊ヘリの墜落で巷でささやかれたのが他国軍のこのような兵器の攻撃である。それほど一部の人間には、この兵器が身近に感じられているのかもしれない。
これから迎えるG7サミットの会場は、人類史上初めて日本人が核兵器の犠牲になったところだ。とうぜん核兵器の廃絶に向けて日本側の声明が出されると思うが、核廃絶の実現に向けてこの技術を日本が世界に先駆けて実用化させるとの決意を世界に向けて表明されてもいいのではないだろうか。
今回の経済サミットでは世界の秩序をいかに取り戻すかに、サミットの成否はかかっている。このために必要となるのが日本が新しい世界秩序を具体的に示すことだろう、このために必要なことは戦争解決の道筋である。私はそのためにもいち早く停戦を呼びかけ、戦争被害を広げないことで人命を守り、これ以上の恨みを広げないことだ。なぜならヨーロッパの金融情勢はかなり危険なところにあると思えるからだ、そのためにも戦争を早期に終わらせ、経済復興を急がなければならない。
私はこれがヨーロッパ経済の存続につながるものと思っている。その道筋としてロシアとの和解により、ヨーロッパ各国へのエネルギー供給の再開と経済活動の再開を急ぐべきだと信じている。この点において日本もヨーロッパも異存はないのではないだろうか、現在ロシアとの和解において、西側が受け入れられないのが武力による領土の変更は許されないとする考え方だ。世界史に照らせば今更とも思える考えだが、このことは日本においても脅威であることに違いない。
しかしながらこの戦争においてヨーロッパでも多数の血が流されたことを無いことにはできない。そうであるなら、領土の現状維持のためロシアはドネツク州をウクライナに戻すが軍隊の駐留は認めず、ここを軍事的緩衝地帯としウクライナはNATOに永久に加盟しないことを条件にする。また、ドネツク州やその他の復興は西側が行い、この仲介役として日本がロシア側の復興を支援する、また日本の軍事的中立を明確にしロシアにおける極東の脅威を排除することだ。
これは私の単なる妄想のようだが、解決を先延ばしにしてこれ以上問題が長引けば、西側の経済はかなり危険なものになるだろう。政府にはくれぐれも戦争継続を煽るような武器弾薬の供与などサミットで宣言することの無いよう願っている。