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1994年 遊びの理由Ⅰ

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迷路の中の赤い帽子と白い帽子の人影、その周りを競走馬が回っているという仮想の景色。私がこれを描いてからほぼ30年がたってしまった。ところでこの絵の基になったイメージはさらに古く、実は私が小学校入学時に受けた衝撃的な印象をもとにしている。

どんな印象かというと、このときまで私は競技というものにまったく興味を持つことが出来なかった。そのことが私に大変な勘違いをさせてしまったのだ。この日私は初めてリレーの授業を経験した、その日の授業は子供たちを2列に並ばされ、子供たちは赤白のグループに分かれ、「よういどん」の掛け声で子供たちはいっせいに目標に向かって駆け出していった。そしてポールにさわると再び、次々戻ってきては次の子が勢いよく駆け出して行った。

とうとう私の番になるとこの大切さを理解しない私は、走ることよりもみんなを笑わせることに興味が向かってしまい私は走っている途中で、あの頃流行った加藤茶の「ウンコチチン」と叫んで笑いを取ろうとしてしまった。意気揚々、戻ってきた私を迎えてくれたのは、みんなの冷たい視線と体育館の片隅に立っていることだった。この時の思いはいまだに抜けない、あれから50年以上が立つ、その後の私は社会生活を営むために世間に寄り添うことを覚えた。そのことは、社会人として身に付けなければならない術だと思っているのだが、はたして三つ子の魂はそう簡単に変わるものではない。

 

 

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Posted by makotoazuma