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令和 あくび指南

2024年9月7日gallery,ようこそ

2024年 3月21日 マエストロ

先日さよならマエストロというドラマが完結した。とはいえこれまでも交響楽団がテーマのドラマは沢山あった。にもかかわらず惹かれてしまうのは、私の性としか言いようがない。因みにこのドラマは豪華な俳優陣にもまして東京音楽大学の演奏もこのドラマの大きな魅力となっている。というのも毎回テーマとなる楽曲がライトモチーフのように使われて、その演奏を聞くと改めて交響曲の魅力を感じてしまうのだ。

ところで、このような音楽をテーマにしたドラマは、俳優陣に他のドラマにはない努力を強いるのではないかと思ってしまう。というのも俳優があたかも楽器を演奏しているように演じることは、だれもが心得ている日常の所作とは違い、楽器を演奏したことの無い人にとっては初めて知る非日常の所作になる。ところが自分で楽器を演奏する者にとって楽器の演奏は日常であり、そのような人から見ると楽器の演奏シーンは気になるところだろう。つまりこのような音楽をテーマにしたドラマや映画は、このような演技の完成度についてもドラマの印象を左右してしまうという怖さがある。

なかでも音を出さない指揮者の演技は、音を出さないという点ではプロもアマも変わりがない。要するに楽団の演奏全体をコントロールするという、まるで雲をつかむような演技を役者は要求されるわけだが、これについて実際何をどうしなければならないという正解はないようだ。昔有名な指揮者が指揮台に上がって、しばらく手を前に組んだままでいたと思ったら、いつの間にか演奏が始まってしまった。最初事故かと思ったが、カメラが指揮者の顔をアップにすると、指揮者の鋭い視線が粛々と奏者に合図を送っていたのだ。

因みにこのドラマに登場する西田敏行氏は以前マエストロという映画で謎のマエストロ役を演じていたが、その演技には鬼気迫るものを感じていた、この指導にはウィーンでも活躍された佐渡裕があたったそうだが、やはりこのドラマのワンシーンで氏が、右手を軽く振るだけで、あの映画マエストロのシーンが蘇って来た。というのも嘗て西田敏行氏といえば歌手としても大ヒットを飛ばした音楽家なのだが、このようなところを見ると、やはり氏には音楽の神様がついているのだと思ってしまう。

結局、音楽の神様というのはある意味つれない神様のようにも感じる。私も音楽は好きな方だと思っているのだが、神様は私にその微笑みすら向けてくれない、なので私は音楽の才能は誰にでも備わっているものではないと決め込んでいる。

とはいいながら、神様が私に西島秀俊氏の容姿と音楽の才能、もしいずれかを選べと言われれば、私にとって音楽の選択はきっとない。とはいえ、何れの願いも現実に叶わないとすれば、とっておきの叶え方がある。それはどの選択からも生み出される喜びも、両方味わい尽くすという選択だ、しかもこの選択はお手軽で何の努力もいらない私にはピッタリの選択のようだ。

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Posted by makotoazuma