令和 あくび指南
2024年 3月27日 出会いと別れ
行く春や 鳥なき 魚の目に涙 有名な奥の細道の芭蕉の句だ。私は勝手にこの句を旅への期待と別れの辛さを詠んだ句だと思っている。ところで、私が今日感じる別れの辛さは、馴染みの朝ドラが明日最終回を迎えることだ。
これまで、数々の名作を届けてくれた朝ドラだったが、今回度肝を抜かれたのは福来スズ子を演じた水谷趣里氏の演技だった。もともとバレーのプリマを目指していた才能だったが、うらやましいことに演技や歌からも同様の魅力を感じてしまう。きっと、芸能の神様はどうしても我々にその魅力のすべてを見せつけたかったのかもしれない。結局このドラマとの出会いによって、趣里氏の多彩な魅力は一遍に花開いたといえる。
ところで先週の放送にあった男女歌合戦、福来スズ子圧巻のシーンは、私に昨年暮れにあった紅白のことを思い出させる。確かに年末彼女の登場は誰もが期待するところではあったが、同時に実際の紅白でこんなことが起こってしまったらと考えると、女優業にこだわる彼女の決断は正しかったと思えるのだ。
そしてこれ程多才な主役を得てこのドラマを支えるスタッフも、このドラマ制作には並々ならぬ期待をかけていたに違いない。特に主題歌ハッピーブギのテーマに映る人形と切り絵を思わせる背景はノスタルジックでありながらエネルギッシュで爽やかさを感じる。そしてちょっと怖いと噂される人形は牧野敦氏が実際に制作した人形を元に、アニメーションで制作されたものだそうだ。私はてっきり実際に手で操作されているものだと思っていた。
さて、このドラマはテレビ番組なのだが、改めて私に最近ご無沙汰していたコンサートの楽しさを思い出させてくれた。また平和な環境で、ぎゅうぎゅうのコンサートを楽しみたいなー。