令和 あくび指南
2024年 5月5日 陰陽師
陰陽師といえば2001年制作の映画を思い出す。この映画では何と言っても和装を着こなす野村萬斎氏の所作にほれぼれする思いがしていた。
そして昨年の陰陽師山崎賢人氏による。ここまでくると陰陽師はイケメンに違いないと勝手に思い込みたくなるが、世の中それほど単純にはいかない。
私が子供の頃は、科学万能の時代に陰陽師など迷信に違いないと言われてきたが、何を隠そう現代に現れた安倍晴明、保江 邦夫氏は最先端の物理学者だった。
そして現在光る君へで活躍する、祐介サンタマリア氏の安倍晴明、目袋に紅を指すメイクは伊丹十三氏が演じた赤鼻の吉良上野介を思い出させる。
ところで平安貴族といえば私は、1998年に放送されたおじゃる丸を何故か思い出す。残念ながらアニメの設定ではおじゃる丸は陰陽師ではないようだ。私は小鬼を従えた様子に式神を操る陰陽師だとばかり思っていたが、この小鬼たちはうっかり閻魔大王の持つ笏(シャク)を手にしたまま、現代に現れてしまったおじゃる丸を追って、その笏を取り返しに来たという設定だ。閻魔大王といえば鬼籍に入る人を裁く神だが何とも恐ろしい形相で、その姿を見るだけでも恐ろしくなるのだが、このアニメは、その可愛らしいキャラでそんな恐怖心を和らげてくれる。残念ながら制作にあたった犬丸りん子氏とオープニングテーマを作曲された大野誠氏は、すでに鬼籍に入られてしまった。穏やかなご冥福をお祈りしたいところだが、きっと彼らはおじゃる丸が良しなに取り計らってくれているに違いない。それにしてもオープニングのテーマソング「詠人」のインパクトは強力だ。この顔を思い出すと必ず、この曲を歌う大野氏の父北島三郎氏の歌声が聞こえてくるようだ。私もこれにあやかり残りの人生「まったりまったり参ろうか」と思う。