令和 あくび指南
2024年 7月1日 蘇るレビアタン
レビアタンとは旧約聖書に登場する怪物だそうだ。その姿は魚や蛇で現されるという、因みにこの絵は日本の神話にある海幸彦、山幸彦の神話に登場する豊玉姫をモチーフにしたものだったが、聖書に詳しい海外の人がこの絵を見ればひょっとしてレビアタンのイメージを描いたものと捉えられないだろうか、要するにここに描かれているのは魚のようなひれをもつ女性が海底でとぐろを巻く生き物と対峙している図だ聖書によれば海の底にいる竜は、相打ちになりその肉は、後に義人の食料とされるそうなのだ。
更に面白いのはこのようだ伝承はイスラエルの周辺国にも伝わりそこで語られるのはレビアタンと戦ったのはベヒモスであり、ユダヤの経典ではベヒモスは牛に象徴される。はたしてリバイアサンと対峙したのはドラゴンか牛か分かれるところだが、興味深いのは、これら両方の生き物が日本の神話では高位の存在として描かれているところだ。
さて私が何故この話題を今日取り上げたかと言うと、昨日の6月30日は夏越の大祓が全国の神社で営まれていた。
私も昨日は函館八幡宮にて茅野輪を潜りをさせて頂き、今年半年の穢れを払っていただいたところだった。ところが後から、よくよくこの茅野輪潜りのことを考えてみると、まさにレビアタンとの関りがあるのではないかと、考えてしまうのである。というのもこの巨大な草で編んだ輪は、萱(かや)という葉を束ねたもので、日本の神話によると山幸彦の妻となった豊玉姫が、出産のおりに夫の山幸彦に対し絶対産屋の中は覗かないでくれと頼んでいたという。その産屋となった小屋は、まさにこの葉を屋根に葺いた造りだった。つまり、当時からこの葉は穢れをはらう霊力の高い特別な葉という認識があったのだろう。さてこの茅野輪潜りのいわれによると、須佐之男命が蘇民に対し災いを避けるためにはこの葉を編んで腰に巻くようにとのお告げによる。そしてここに登場する蘇民とは何かといえば、東北大学田中英道名誉教授の研究によるとユダヤからの民ではないかと仰られているのだ。つまりまったく意識せず描いたモチーフが後から次から次へと繋がりだし、まるで最初から決まった物語に沿って描かれたかのように感じてしまうのだ、恥ずかしながら私は最近このようなことが頻繁に起こるので、まるで他人ごとのように感じてしまうくらいだ。しかもこの絵を描いたのは2022年の5月27日で、この時はまだリバイアサンのような終末観を私は持っていない。当然イスラエルでこれほどの惨劇が起ころうとは、当時から私の顕在意識では知る由もなかったのである。