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令和 あくび指南

2024年9月12日gallery,ようこそ

2024年 8月10日 今度は何ショック?

先週の5日、日銀の利上げ発表と同時に日経平均が稀に見る大暴落をした。それまで最高値を更新し続けた株式市場だけに、初めての投資家にとってこの暴落は、資産運用の厳しさを思い知らされる事態だったに違いない。ところで大暴落といえば、リーマンショックを思い浮かべる方も多いだろう、あれからすでに10年が経過しているのだが、あの時の地獄を知っている人は今の株価はまだ序章にすぎないと思っているかもしれない。それにしてもあのショックの原因はサブプライムローンをファンドに組み込むことにより、投資家はブラックボックスの中で何が起こっているのかを察知することが出来なかった。それを逆手にとってアセット会社は危険な取引を続けていたという、ようするにハイリスクハイリターンのファンドはプロだろうが素人だろうが早晩誰かが必ずババを引くという危険なゲームになる。

さてこのような危機に2度と至らないために金融機関は、バーゼル条約により常に一定の資金を準備しておくことが、必要になった。これにより取り付け騒ぎを起させない仕組みが世界で決められた。それが自己資本比率というもので、現在これに従わない金融機関は海外との取引が出来なくなる。ところで、前回のリーマンショックはサブプライムローンという主に住宅ローンなど個人的に信用の低い人のローンをファンドに組み込みファンドを運営していたが、あまりにも管理がルーズな融資を行っていた為に回収がおぼつかなくなり経営破綻に至ってしまった。これを切っ掛けに銀行では取り付け騒ぎがはじまってしまったのだが、当時はバーゼル条約などもなく金融機関の破綻が続いてしまったのだ。つまりリーマンブラザーズ社の破綻が、直接の原因というよりは、取り付け騒ぎにより金融機関が連鎖的に破綻してしまったことがリーマンショックの原因ではないかと思っている。

ところで、最近の金融市場で人気なのが劣後債という耳慣れない債券で、中身は社債ということだが、結局会社自体の信用では資金が充分集められない債券ということで、高金利で運用できる金融商品というのは大概このような事情がうらにある。さて社債であれば当然金融機関も発行できるのだが、金融機関の発効する劣後債は、そのまま企業の自己資本の中に組み込むことが出来るという特典がついている。つまり企業にとって自己資本比率を高めるためには現金をストックしておく必要があるのだが、それを金利のつかない預金で置いておくより、この債券で運用した方が、企業にとってよっぽど実入りのいいことになる。因みにクレディスイス銀行は、一時これによる破綻を起こしそうになっていたが、アメリカやEU各国の保証を受けることでこれによる破綻は回避されている。

ところで、日本の預貯金や保険は預金保険法により破綻があれば最低限の補償が得られるのだが、この劣後債についてはその保護の対象にならないそうだ。このような知識も債券型のファンドを購入する際は必要な情報になるだろう。

さて話を整理すると何とかショックと名がつくほどの非常事態は、企業の倒産よりも、やはり金融機関の取り付け騒ぎの方が遥かに危険性が高いといえる。そして私はいまだ世界中の零細銀行は、このことによる問題解決には至っていないと思っている。とはいえ、この思いが取り越し苦であることを祈っている。

さて、もしこのまま株価が下がり、景気が回復しなければ、今後日本発の日銀ショックなどと言われかねない。というのも市場はこの時とばかりに異常な反応を示してしまったからだ。それにしてもこのことに対しマスコミの反応も驚くほど速かった。さぞや利上げに対し喜んでいるのかと思っていたら、いつの間にか利上げは間違いと言う記事ばかり目に付くようになってしまった。ところで私が心配するのは、そもそもこの株価は正常な市場原理で動いていたのだろうかという疑問だ。もしこれが異常だったとすれば、いずれ市場は正常値に向って動き出すだろう。そういえば落語に長短という話があるって、なかでも私は柳谷小さん氏の長短が大好きだった。投資に強い人というのはまさにあんな人達の事をいうのだと思う、つまりどう見ても普通じゃないようです。

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Posted by makotoazuma