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令和 あくび指南

2024年9月12日gallery,ようこそ

2024年 8月24日 米が消えた

いまスーパーから一斉にコメが姿を消している。あわててネットを見ると、やはりこちらも同じような状態なので全国的に店頭からお米が消えたということなのだろう。とはいえコメ不足はこれが初めてではない、1993年、平成のコメ不足の前年は大変な冷夏で、この影響がコメの収穫に影響するだろうことは誰もが想像していた。

ところが今回の米騒動は当時とは全く違っている。というのも今回の米騒動は誰も予想できなかったのではないだろうか、私も家の米が完全に底をつくまで、買い置きの心配はしていなかったのだ。ところでこの不思議な現象をメディアはどの様に報道しているかと言うと、コロナ禍明けのインバウンドで海外から観光客が殺到し日本のコメを食べつくしてしまったのだという。確かに昨今の寿司ブームやおにぎりブームをみればいかにも納得出来そうな理由だが、果たしてそうだろうか。そこで、私なりにデータを取り直しざっくりした計算をしてみたところ、やはりこのような説明に納得することは出来なかった。

私がまず初めに確認したのは、そもそも昨年のコメの収穫はどれほどあったかだ、これについて農林水産省のホームページを見ると令和5年の収穫高は661万トンとある、今年のコメはこれから収穫になるので、現在のコメ不足はこの米が底尽きてしまったということになる。ではこのような騒ぎの全くなかった令和4年の収穫量はと言えば、こちらは670万トンと発表されている。つまり今回の異常なコメ不足は9万トンのコメが不足したことが大きな要因だろう。それに付随して海外インバウンドなどの予想外のコメ人気が、急激なコメ不足に拍車をかけてしまったといいたいらしい。

確かに出入国在留管理庁の今年1月6日更新のデータでは昨年の入国者数は前年より2033万人増加しているという、またJNTO日本政府観光局のデータでは訪日外国人は今年の7月現在ですでに2100万人を超えている。つまり海外からの訪問者が急激な右肩上がりの状況にあることは事実として認めざるを得ない。そこでこのような数字を見れば海外のコメブームと合わせ、これが店頭からコメが消えた理由だと言われれば納得してしまいそうになるのだが、果たしてそうだろうか。

ではそもそも米を主食とする日本人は年間どれほどのコメを消費していたのだろうか、この数字も農林水産省のデータによると、現在では日本人一人当たり年間で50kgほどの消費しかない。つまり外国人が2100万人来訪してコメを消費したとしても9万トンのコメを一斉に消費してしまったとは考えづらいのだ。このほかにも報道機関があげるコメ不足の原因として南海トラフの警戒警報が消費者をコメの備蓄に向かわせたという説もある。とはいえこの答えに私は、初めから首をかしげてしまう。というのも、このような場合は煮炊きのいらない加工品が真っ先に店頭から消えるはずなのである。

私が今日このような記事を書いたのは、この異常事態の原因に対しメディアが揃って同じような回答を報道していることだ。というのも素人が思いを巡らすだけでも、これらの回答には納得できない部分が多数見つかるからだ。果たしてこれを報道した記者達はこのことについて自分なりに検証していたのだろうか、もしそうでは無いとすればメディアの存在意義やジャーナリズムの在り方が改めて問われることにならないだろうか。

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Posted by makotoazuma