令和 あくび指南
2024年 9月25日 メイドインジャパン
今日は朝から展示会用のカラーパネルを作っていた。パネルに掲示物を貼り付ける単純な作業なのだが、これが全くはかどらない。というのも発泡スチロールの板が、初めから微妙に沿っていて、その反りを治すために重石をしたりドライヤーを当てたり様々取り組んでみたが、完全には戻らないようだ。とうとう諦めて次の取り組みになるパネルを切り出す作業に取り組んだのだが、カッターに渾身の力を込めて一気に切り出すつもりが、今度は切り口が揃わずとても人前にさらせる状態ではなくなってしまった。
この時はなんとも自分の技術の至らなさを呪わしく思っていたが、よく見ると集まったパネルの中に明らかに違うデザインのものを見つけた。手にしてみると先ほど悪戦苦闘していたパネルとは違い、明らかに確りとした造りの印象を受けた。よく見るとそのパネルには全く反りがない、恐らくと思って生産国を調べてみるとやはりそのパネルは日本製だった。値札を見ると先ほどのものの倍の値札が張られていたのだが、早速これで先ほどと同じ作業を取り組んでみると作業は面白いようにはかどった。もちろんカッターもさほど力を入れずとも望んだとおりの切り口になった。
やっぱり日本製ってこんなところにも神経が行き届いている、これは他国に真似できないクールジャパンに違いないと口元が自然とほころぶ。そういえば先日懐かしい番組がリバイバルしていてつい見入ってしまった。その番組とは、あのプロジェクトXが新プロジェクトXとなって蘇ったのだ。番組のテーマ曲も中島みゆき氏の地上の星で一緒だった。私が視た回は薬師寺の五重塔改修の様子で千年を超す木造建築が次の千年に向けて受け継がれるという感動の回だった。この番組を視て思うことは、先人の取り組むまれた仕事は、現代の我々が常識とする人生のスケールとは全く違うスケールで考えられていたいうことだろう。何が言いたいかと言えば現代人の生活には個人が生存できる高々何十年の出来事がその中心になるが、先人の残した仕事は当初から受け継がれることを前提とした仕事に取り組まれていたと言うことなのだと思う。だからこそ人が見ていないからと言って手を抜くような仕事を先人はしてこなかったのだと思うし、それを再生させるための素材となる木材の育成まで含めたサプライチェーンが必要であることを当時の日本人はすでに理解していたということだろう。
物づくりの日本が復活することは世界中を豊かにしていくことに繋がる、そんな日本の魂を使い捨てにしてはいけない。