令和 あくび指南
2024年 11月22日 人道と人権
私はこれを人類共通の理念として成り立っているのが、現在の国際連合だと思っている。今朝ほどこの機関の傘下にあるICC(国際刑事裁判所)からイスラエルの首相と前国防相、そして武装組織ハマスの幹部にも戦争犯罪と人道に対する罪で逮捕状が出されたそうだ。(ロイター)
さてICCといえば以前ロシア大統領のプーチン氏にも、戦場から子供を連れ去ったとし逮捕状が出されている。とはいえ、この件に関して戦場からの一時避難だという弁明については、その後一部の子供たちが帰省できたことや、その間もロシアの教育施設で教育を受けていたこと(これについて洗脳教育がされていたとの証言もある)などからも完全には否定でていないように認識している。
とはいえ、今回のイスラエル戦争における決定は現在ガザ地区の住民に対する攻撃や食糧、医療の供給不足から、今も何十万人もの命が危険にさらされている状態にあり一刻も早い停戦を要する状態にある。つまりこのことは人道や人権に対する人類の脅威として認識されなければ、国際連合としての存在意義は失われてしまうのだ。さらに言えば今回のICCの決定には革新的な意義が含まれている。それが武器を持たない市民への攻撃は戦争行為とは認めないというはっきりした意思表明にある。
これにより、今後世界中で起こるテロや都市への攻撃は、戦争行為とは認められず、虐殺、或いは殺人という刑事罰の対象になるということだ。つまりこの解釈を広げれば、大量破壊兵器による都市への攻撃は、明らかに虐殺行為にあたる。さらに言えばこのような考え方が、世界中に根付きより大きなコンセンサスを得られるようになれば、このような兵器を保有すること自体が罪に問われる日もそう遠くはないだろう。
とはいえ今回もこのようなICCの決定は、条約の締結国以外では適用にならない。残念なことに現在の戦争当事国は、いずれの国もこの条約を結んではいないのだ。つまりこのような決定の効力をより高めるためには、常任理事国という拒否権をもつ特別な存在は似つかわしくない。というのも人類は生まれたながら平等に基本的人権を有するという国連の理念に反するからだ。