令和 あくび指南
2024年 11月24日 最初に手を出したのは誰か?
最近のニュースは目まぐるしい。しかも、これほど見方や立場によって受け取り方が違うものかと驚いてしまう。
今朝ほどTVのスイッチを入れると有名な報道バラエティー番組が映し出された。私は以前であれば、日曜の朝をこの番組に頷きながら満喫していた。ところが、最近このようなTV報道はどこに視聴者を導いているのかという視点で番組を眺めるようになると、ずいぶん一方的な意見に違和感を感じるようになった。
今朝も先日の兵庫県知事選についてコメントが述べられているところで、番組で使われている言葉の印象から、この選挙結果は間違いであるとでも受け取られかねない印象を持った。ところでこの選挙は、地方の知事選にしては全国的に異常なほど盛り上がりを見せていた。なぜこうなったかといえば、一通の告白文書がマスコミにリークされ、その結果兵庫県知事は辞任に追い込まれた。そして今回の選挙はその告発文の信憑性が問われる復活戦となった。そしてこの選挙で最も特徴的だったのは個人によるSNS発信が、マスメディアの強力な発信力を上回ったことである。というのも知事の辞任は冤罪だと主張するSNSの動きと、告発文を正しいものとして、そのままリークし知事を辞任に追いやったマスコミとの一騎打ちになっていたからだ。結果はSNS側の圧倒的な勝利で、マスメディアは報道の公平性を問われる状況になっている。
とはいえすでに結果の出た、選挙に何故か異を唱え続けるマスコミの思いが、この番組からひしひしと伝わってきた。その攻撃は必然的に個人の投稿にまでおよび、わざわざ番組に招かれたファクトチェッカーがその間違いについて詳細にあげつらっていた。ところが、肝心の立花氏の指摘内容については、まったくスルーされていたようだ。
笑ってしまったのが、フアクトチェックで公約実現率98.8%は不正確だという指摘を番組で取り上げ問題にしたところだ。というのもこの表現は171件の公約の内、着手されたものの未達成であるものも含まれているのでこの表現は不正確であり、SNS信者が、こんな不正確な情報を信じて行動しているというのは、まさに風評に踊らされる愚民のごとしだとでも言いたげである。これに対し私は公約の98.8%もこの知事は、まじめに県政に取り組れていたのかと思うと逆に敬意さえ覚える。このように立派な人材こそ、県政と言わず政府の一員として活躍して欲しいと思うのだ。
そして私があらためて不思議に思うことは、この番組に限らず選挙というデモクラシーの根幹をなす仕組みでなされたことを、まるで不正義でもあるかのように吹聴することだ。このことはアメリカ大統領選挙にも見られたマスコミの大きな特徴である。ところが何故か日本の外交まで危うい立場に追いやった衆院選の選挙結果について、マスコミからこれほど否定的な意見は聞かれなかったことだ。結局今回の知事選結果はこのようなマスコミへの不信感がもたらした市民の答といえないだろうか。例えば、もしこれが戦争だったとすれば、いつの世でも最初に手を出した方が必ず非難を受ける、今回、最初に手を出したのはマスコミなのである。