新 思考ラボ
2025年 4月28日 SF幸せの鏡
先日ディスカバリーチャンネルのSF研究室S1:タイムワープというTV番組を見た。この番組は天才科学者カク博士が実際この世に存在する技術を使って、空想の未来科学を実現させようという思考実験番組だ。この回ではテレポテーションを可能にするために様々な現代技術を駆使してテレポテーションを思考実験において完成させる。さてこのテレポテーションというSFでは定番の技術を可能にする理論が今を時めく量子もつれ理論だった。番組ではノーベル学者ツァイリンガーによる実験を基に2つの方法が検討された。その一つが映画ザ・フライでも用いられていた物質を極限まで分解して物質ごと送信し、送られてきた物質を転送先でそのまま再構成させるという方法である。もう一つは元の物質をスキャンして情報のみを送信、受信先でそのデータを基に再生するというまるで電信為替のような手法である。
ところでこの実験の面白さは、なんといっても量子の持つ不思議な性質にある。というのも量子もつれの関係性を持った量子は、どれほど距離が離れた状態にあっても、片方は常に送信される側とは逆向きの状態が決定されてしまうと言う、極端な例えをすれば悲しみの状態にある物質と量子もつれの関係にある火星の物質があるとすれば、その物質は必ず喜びの状態を示すことになる。そしてこの関係はどれほどの距離があっても維持されるのだという。さらに量子の奇妙な性質は、存在自体が有ったり無かったりと、まるでエネルギー保存の法則などお構いなしの性質を示すことだ。つまり唯物論者にとっては仇のような存在なのである。
私はこの様な有り無しが存在する世界とは、まるで1bitの世界で構成されるコンピューター言語のように感じてしまう。だとすれば以前イーロンマスク氏が述べていたとおり、世の中は99%仮想現実だと言ことを証明しているのではないだろうか。
因みに最近よく見かける話題に、ヴォイニッチ手稿という謎の文字と植物図鑑のような挿絵に彩られた謎の書物がある。この書物は1912年イタリアで発見され、堅牢な羊皮に書かれているもので、簡単にコピーが創れる代物ではない。ところで、この書物がさtらに不思議なのは、ここに書かれている文字は言語のように見えるが、これについて世界中の言語学者がどれほど研究しても誰も解読できなかったそうだ。またこの記述は著名な暗号技術者によっても判読できなかったというのだ。ところが最近、これをAIによる試みによりおおよそ解読が出来たという。因みにこのことで私がとくに興味深く思ったのは、この解読がなぜAIにだけ可能だったのかと言う事だ。ここまでくるとなんだか月刊ムーの話題のようでワクワクしてくるが、言語学者が束になってかかっても判読できず、なぜAIだけが解読に至ったのかを考えれば、この書物は人間の言語よりもAIに親和性のあるコンピュータ言語に近いからではないだろうか。
さて、最近でもこの研究に取り組んだ研究者が、謎の解明目前で突然この研究を断念してしまったという。一体それは何故だろう、その理由を考えるとやはりこの世界は仮想現実であり、この研究者はこの仮想現実が創られた目的まで知ってしまったということではないだろうか。結局この話も、信じるか信じないかはあなた次第で終わる。