続 盾つく虫も好き好き
2026年 3月22日 再び問われる問題

現在世界が注目する日米会談が無事終わり、日本国民の表情には取り敢えず安堵の色が伺える。特に首相が示した法律順守の毅然とした態度は世界的評価も高い。とはいえ今回はトランプ大統領の度量やイラン側が日本に対し示したホルムズ海峡通過の許可も現在日本が置かれている立場からすれば、奇跡のようにしか見えないのである。
しかしながら日米会談が無事終わったからと言って、物事が根本的に解決されたとは言えないのである。というのも戦争は未だ継続され海運の安全が確保されているとは言い難いのだ。今回の会談では日本はアメリカへの協力を出来る限りの範囲内で行うことを約束している。出来る限りというのは当然憲法で許される範囲内でということなので、ここには当然停戦下での協力という条件が付き、協力の内容も物資輸送や掃海作業などが過去の例に倣えば限界になる。そこで今回新たに浮き彫りとなるのは、日本の措かれている現在の状況は奇跡の様な稀な状況であるということで、この様な事態を国民はどう捉えるかという事になる。
というのも、先ほど触れたように今回日本は武力行使無しで自衛隊の派遣が可能としても、もし今回と事態が変わってアメリカが相当追い込まれた状態での会談も有り得たのである。その時日本は直ちに原油の調達先を見つけなければならなかっただろうし、アメリカが不利な状況に追い込まれていれば、日本周辺でのパワーバランスは変化して戦闘の危機が日本近海にまで及ぶことも充分考えられたのである。
そのため、日本は自国のライフラインは自国で確保する想定で防衛力整備が必要だろうと考えている。つまり今回の事案も他国の脅威により日本のライフラインに危険が及ぶ危険があったとすれば、戦争の是非を問うよりアメリカに先んじても軍隊を派遣し、自国の輸送船を守る必要があったのではないだろうか。
つぎに、問題になるのが、アメリカが提唱する平和評議会というガザ地区の平和を考える取り組みについてだ。これこそ80年間、間解決の見通しすらつかない中東問題への新たな一石になるに違いない。というのもこれまで国家間の問題は国連に託されてきたが、80年経った現在でもこの問題は、解決の糸口すら見えない状態なのだ。そこで提唱されたのは、この地域に関心を寄せる国々に対するアメリカからの直接の呼びかけである。これによりこの地域に深く関わる国々の思いが、より具体的に反映され易くなるはずだ。特に原油の中東依存度が極端に高い日本こそ、より積極的にこの地域の安全に関わるべきと考えている。
さて、これへの参加にしても拠出金だけで発言力が強まると言う事ではないだろう。これまで戦争続きの地域を平和が続く世界に変えてゆくことは容易ではないからだ。とはいえ今回のトランプ大統領からのこのような呼びかけは、戦後80年という長い時間を経ているにも拘らず、何ら解決の見込みが示されない中東問題に対する改革の呼びかけである。ましてや、この地域の海上輸送にライフラインが直結している日本にとって、この海域の安全を守ることは自衛権の発動と同じ意味を持つ。失敗はいつか改めない限り永遠に繰り返されるのである。