続 盾つく虫も好き好き
2026年 3月30日 出口の見えない状況

現在ホルムズ海峡をめぐって様々な影響が、世界を襲っている。残念ながらいまだそこに明るい兆しは見えないのである。とはいえ先日ホルムズ海峡を通った輸送船が日本に到着した届いたばかりだが、この先も無事である保証はない。
因みにこの戦争の結果をシュミレーションしてみても、あまり都合の良い結果は想像できないのである。私の理想を言えば、日本がロシア産原油を輸入し、ロシアとの国交を回復させることによって、ウクライナ戦争に終止符が打れると思っている。そして、これによりロシア中国からの対イラン支援が止まればイランでの戦争は終結するものと想像していた。ところがここにきて、イスラエル・アメリカの敗北というシナリオも考慮しなければならない状況になっている。それはイランの持つ戦力がまだまだ温存されている可能性が高いからだ。
当初イスラエル・アメリカ軍による攻撃はイラン指導者の殺害により一気に終結するという見通しだった。ところが、ここまできてもイランからの反撃は止まず、かえってイスラエル・アメリカの継戦能力に心配が出てきている状況なのである。つまり、ミサイルや航空機による精密な目標破壊だけでは戦争の解決は見込めないのかもしれない。とはいえこのような事態は、嘗ての大日本帝国海軍も経験済みの事で、不沈戦艦大和という幻想に執りつかれ、海軍はこれに途方もない国費を費やしたが、結局のところ最後までその運用には見通しがつかず、結局3731名の犠牲により海軍の汚名を注いだという悲しい歴史がある。現在の戦況を伺えばイスラエル・アメリカ軍にもこのような慢心を感じるのである。
因みにこの状況を慢心とまで言うのは、イランから飛来するシャヘドというドローン攻撃にイスラエルのアイアンドームはいよいよ補給が間に合っていないという情報が流れているからだ。残念なことにアイアンドームの主力になるミサイルは億単位の高価なものであり、対するイランのドローンは1機、数百万円になる。つまり、同じ国家予算だとすれば、これは千倍の戦力差と同じことになる。さらに国力を示す人口で比べてもイスラエルとイランの差は10倍の開きがあるのだ、これに対し如何に最新鋭の軍事技術でも簡単にこの差を埋めることは出来ないのである。
そればかりか軍事技術に絞って比べてみても果たしてイスラエルとアメリカは軍事技術で絶対的に優位なのかという問題がある。というのも現在軍事技術の最先端と思われているミサイル技術では、どうやらその優勢性が怪しいのである。因みに先日イスラエルに打ち込まれた弾道ミサイルは何とマッハ13のスピードで飛来するという。しかもこのミサイルの射程は2,000㎞に及び、さらにその軌道は常に変化して予測できない上にステルス性も備えているという。つまり先ごろ日本が配備した12式改対艦ミサイルのさらに上を行く性能を誇っている。ではこれに核弾頭が搭載されたとすれば、中東のパワーバランスは完全に覆ることになる。このため、アメリカ・イスラエルがイランの核弾頭開発阻止に躍起になるのも無理がないように思えるのだ。
だからといって、これを武力で破壊してよいのかという問題が残ってしまう。理想論で言えば、平和的解決としてイスラエルも核拡散防止条約に加盟して、両国が核兵器の脅威を取り除くべきだろう。
そればかりか、現実はさらに恐ろしい。というのもこのミサイル技術はイランのオリジナルの可能性であるという。つまりイランのミサイル技術はすでに西側の技術より優れている可能性がある。もしこのまま戦争が拡大しこの技術が北朝鮮などに渡れば、東アジアにおけるパワーバランスもまた崩れ去る事になるはずだ。このことはミサイルに頼る防衛にはすでに未来がないことを示しており、またこの技術なしに語れない核の抑止力も西側にとっては同じことになる。
このように、外交を軍事力に頼りすぎるのは、西側諸国の未来にとって決して良い結果とはならない。幸いにも現在の政府は、立派な見識を持ち外交にも信頼がおける、とはいえ、これほど世界を巻き込む綱渡りは憲政以来前例がないのである。
とは言え現在日本が置かれている状況は、経済的にも軍事付きにも同盟国アメリカと一蓮托生の状況にあり、だからこそ、アメリカが誤った方向に向かおうとすれば、これを諫めるのも未来を共有する同盟国として当然の務めではないだろうか。因みに、嘗て2001年に始まったアフガニスタン紛争はその後20年にもわたって継続されたが結果は西側諸国の敗北となった。しかもこの時、西側諸国と対峙したのは国家ではなく武装組織のタリバンだった。
皮肉にもこの時、戦争終結の英断を下したのはトランプ政権だった。さて今回の戦争はアフガニスタンとは違い、世界各国への経済的影響は比較にならないほど大きい。とはいえアメリカと同盟関係にあるNATOがこの件に対し即応出来ないないのは、各国がこの戦争の結果を見通せないからだろう。しかしながら、これまでの経緯からハッキリしていることは、軍事力だけでここを乗り切ることはアメリカと云えども簡単ではないということだ。つまり平和的に外交による解決を望むとすれば、それにはイスラエルからも妥協を引き出すことが必要になると考える。これが可能となれば、関係各国は中東での和平が可能という判断になり、関係各国によるイランへの賠償や平和維持に対する協力を得ることは可能だろう。というのも、これが上手くいかなければEU諸国は海運においてさらに追い詰められることになるからだ。因みに昨日イエメンのフーシ派がこの事態に参戦することを表明している。これによりもし、バブエルマンデル海峡まで封鎖になれば、EUはスエズ運河の航行も不能となり太平洋への道はさらに遠のくことになる。つまり黒海経由の海運には大きな打撃となりえるのだ。
だとすれば、ここでも北極海経由やウラジオストックからの航路がEUとアジア太平洋を繋ぐ架け橋として注目されないだろうか。つまりウクライナ戦争の継続はEUにとってアジア市場を失わせかねないことになる。